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朝から予定していた資料作成を進めようとしたところに、上司から急ぎの依頼。さらに取引先から確認のメールが届き、同僚からも作業を頼まれる。
気づけば、やるべき仕事が3つも重なっている。
「とりあえず、目の前のメールから返そうか」「いや、資料の締切が近いし……」と考えているうちに、時間だけが過ぎてしまう。そんな経験はないでしょうか。
仕事が重なったときは、すぐに手を動かすよりも、いったん立ち止まって着手順を決めたほうが、結果としてスムーズに進むことがあります。
この記事では、仕事が3つ同時に来たとき、何から始めればいいのかを具体例とともに解説します。難しいタスク管理の知識は必要ありません。今抱えている仕事にも、そのまま使える方法です。
仕事が3つ重なったら、まずは「締切・影響・時間」で判断する
仕事が3つ重なったとき、最初にやることは、3つとも書き出して整理することです。
そして、次の3つを確認します。
- 締切はいつか
- 自分が遅れると、誰の仕事が止まるか
- 終わらせるまでに、どのくらい時間がかかるか
この3つが分かれば、仕事の優先順位が見えてきます。
たとえば、今は午前10時。次の3つの仕事を抱えているとしましょう。
| 仕事 | 締切 | 所要時間 | 遅れた場合の影響 |
|---|---|---|---|
| A:取引先への回答 | 今日11時 | 10分 | 相手の確認作業が止まる |
| B:会議資料の作成 | 今日15時 | 2時間 | 午後の会議準備に影響 |
| C:社内データの整理 | 明日17時 | 1時間 | 現時点では影響が小さい |
この場合、まずAの回答を済ませ、その後Bの資料作成に取りかかる順番が考えられます。Cは、Bが終わった後や翌日の予定に組み込めばよいでしょう。
ただし、これは締切と所要時間が確認できている場合の判断です。Bの資料に他部署の確認が必要なら、Aを済ませる前に確認依頼だけ送っておくほうがよい場合もあります。
判断の基本:締切が近く、遅れると他の人に影響する仕事を先に確認する。そのうえで、短時間で済ませられる仕事と、まとまった時間が必要な仕事の順番を決めましょう。
なぜ、仕事が重なると何から始めるか迷うのか
仕事が3つ重なると、どれも急いで片づけなければならないように感じます。
しかし、実際には3つすべてが同じ緊急度とは限りません。迷ってしまうのは、判断に必要な情報が整理できていないからかもしれません。
目の前に来た仕事を優先してしまう
メールの通知が届いたり、上司から声をかけられたりすると、それまで進めていた仕事よりも、新しく来た依頼に意識が向きやすくなります。
その結果、Aを進めていたはずが、Bに移り、さらにCにも手をつける。どの仕事も中途半端なまま、時間だけが過ぎてしまいます。
新しい依頼が来たことと、その仕事を最初にやるべきことは別です。
まずは現在の仕事と並べ、締切や影響を比べる必要があります。
「急ぎ」の基準が曖昧になっている
「できるだけ早く」「なるべく今日中に」という依頼は、具体的な締切が分かりません。
依頼した人は夕方まででよいと思っていても、受け取った側は今すぐ終わらせなければならないと感じることがあります。
曖昧なまま順番を決めると、本当に急ぐ仕事が後回しになるかもしれません。
「何時までに必要ですか?」と一言確認するだけでも、着手順は決めやすくなります。
それぞれの仕事に必要な時間が見えていない
同じ「仕事が1つ」でも、10分で終わる確認と、3時間かかる資料作成では、時間の使い方が違います。
何となく簡単そうな仕事から始めると、まとまった時間が必要な仕事を後回しにしてしまうことがあります。
正確な所要時間が分からなくても構いません。「10分程度」「1時間程度」「半日かかる」といった大まかな見積もりをつけてみましょう。
3つの仕事の着手順を決める4ステップ
ここからは、実際に仕事が重なった場面で使える整理方法を紹介します。
必要なのは、メモ帳や付箋、あるいは普段使っているタスク管理ツールだけです。
ステップ1:3つの仕事をすべて書き出す
最初に、抱えている仕事を頭の外に出します。
「営業資料を作る」「取引先に返信する」「経費を精算する」といった簡単な書き方で十分です。
仕事の名前だけでなく、分かっている締切も一緒に書きます。書き出してみると、急がなくてもよい仕事や、すぐ終わる仕事が見つかることがあります。
今は3つの仕事を整理できれば十分。最初から立派な管理表を作る必要はありません。
ステップ2:締切と、遅れた場合の影響を確認する
次に、それぞれの仕事について「いつまでに必要か」「遅れるとどうなるか」を確認します。
たとえば、同じ今日中の仕事でも、午前中の回答がないと取引先の作業が進まないものと、自分だけで完結するものでは、優先する理由が異なります。
特に確認したいのは、自分の作業が次の人の作業につながっているかどうかです。
誰かが自分の回答を待っている場合は、先に返事や確認依頼を出すことで、全体の進行がスムーズになることがあります。
なお、業務上の安全や重大なトラブルに関わる対応がある場合は、通常の締切比較よりも先に、職場の対応ルールに従って判断してください。
ステップ3:所要時間を見積もり、最初の仕事を選ぶ
締切と影響が分かったら、必要な時間を見積もります。
判断の目安は次のとおりです。
- 締切が迫っている仕事:必要な時間を確保して優先する
- 他の人が待っている仕事:回答や確認依頼を先に出すことを考える
- 短時間で終わる仕事:他の締切を圧迫しなければ、先に完了させる
- 時間のかかる仕事:まとまった作業時間を確保する
ここで注意したいのは、短い仕事を必ず先にやればよいわけではないということです。
15時締切の資料作成に3時間かかるなら、午前中から着手する必要があります。10分で終わる別の仕事をいくつも片づけているうちに、資料を完成させる時間がなくなっては本末転倒です。
最初に終わらせるべき仕事と、最初に着手するべき仕事は、必ずしも同じではありません。
ステップ4:最初の15分でやることを決める
順番が決まったら、まず何をするかを具体的な行動に落とし込みます。
たとえば「会議資料を作る」だけでは、まだ作業の範囲が広すぎます。
「必要なデータを集める」「資料の見出しを作る」「前回の会議資料を確認する」というように、最初の一歩を決めてみましょう。
最初の15分で何をするかが決まれば、「どこから手をつけよう」と迷う時間を減らせます。
仕事を始めた後は、新しい依頼が入らない限り、決めた作業を一定時間進めることを意識します。
3つとも急ぎのときは、どうすればいい?
実際の仕事では、きれいに優先順位が決まるとは限りません。
「全部今日中」「どれも上司からの依頼」「どれも取引先に関係する」といった状況もあります。
そんなときは、次のように考えてみましょう。
締切が同じなら、他の人が待っている仕事を確認する
3つとも17時締切だった場合、自分だけで完結する仕事と、他部署の作業につながる仕事を比べてみます。
自分の確認が終わらないと次の担当者が動けないなら、その確認を先に済ませることで、相手も仕事を進められます。
ただし、ほかの仕事に必要な作業時間も考え、すべてが締切に間に合うか確認してください。
明らかに時間が足りないなら、早めに相談する
3つの仕事に合計5時間かかるのに、締切まで3時間しか残っていない。
この場合、作業順を工夫するだけでは解決できません。
まずは上司や依頼者に状況を伝え、優先順位や締切の調整を相談しましょう。
相談するときは、「忙しいです」と伝えるだけでなく、抱えている仕事と必要な時間を具体的に示すと、判断してもらいやすくなります。
「現在、AとBとCの3件を進めています。すべて今日中とのことですが、合計で5時間ほど必要です。Aを先に進めようと考えていますが、優先順位や締切を調整できるものはありますか?」
自分で判断できない優先順位は、無理に抱え込まず、判断できる人に確認することも仕事の進め方の一つです。
途中まで進めるなら、相手が動ける状態を作る
仕事を最後まで完了させる時間がなくても、途中まで進めることで他の人の作業を始められる場合があります。
たとえば、資料全体の完成は午後でも、確認が必要な数字だけ先に共有する。必要なデータの確認依頼だけ午前中に送っておく。
こうした進め方なら、残りの作業をしながら相手の確認を待てます。
ただし、未完成の情報を共有する場合は、その旨を明確に伝え、完成版と間違われないようにしましょう。
仕事の途中で4つ目の依頼が来たら、順番を見直す
3つの仕事の順番を決めても、そのとおりに一日が進むとは限りません。
作業中に新しい依頼が届くこともあります。
そんなとき、すぐに作業を切り替える必要はありません。
まず新しい依頼の締切と内容を確認し、今進めている仕事より優先する理由があるかを判断します。
たとえば、新しい依頼が「明日の午前中まで」であれば、今の仕事を予定どおり進めてよいかもしれません。一方、取引先の当日対応に関わる依頼なら、順番を見直す必要があります。
作業を切り替える場合は、今の仕事をどこまで進めたか、次に何をするかを一行だけメモしておきましょう。
戻ってきたときに、作業を再開しやすくなります。
仕事の数が増え、頭の中だけでは管理しきれなくなった場合は、身近な考え方から学べるタスク管理法も参考にしてみてください。
仕事が重なっても慌てないために、普段からできること
仕事が重なったときの対応も必要ですが、普段から少し準備しておくと、急な依頼が来ても予定を組み直しやすくなります。
朝のうちに、今日やる仕事を確認する
出勤したら、今日中に終わらせる仕事を確認します。
できれば、締切が決まっている仕事と、時間に余裕がある仕事を分けておきましょう。
あらかじめ予定が分かっていれば、新しい依頼が来たときにも「今日のどこに入れられるか」を考えやすくなります。
予定を詰め込みすぎない
朝から夕方まで、すべての時間を作業予定で埋めてしまうと、急な依頼が入ったときに調整できなくなります。
会議や問い合わせが多い職場なら、最初から一定の調整時間を見込んでおく方法があります。
もちろん、忙しい日には難しいこともあるでしょう。それでも、予定を立てる段階で突発的な仕事の可能性を考えておくと、現実的なスケジュールを作りやすくなります。
終わらなかった仕事は、翌日の予定に組み込む
仕事が重なる日には、予定していた作業がすべて終わらないこともあります。
そんなときは、残った仕事を曖昧にせず、翌日のどの時間に進めるかを決めましょう。必要に応じて、関係者にも進捗を共有します。
仕事を一日単位で整理する考え方については、仕事が終わらないときに役立つ「退勤力」の考え方も参考になります。
また、複数の案件を継続して管理する必要がある人は、タスク管理ツールの選び方と使い方を確認しておくと、自分に合った管理方法を考えやすくなります。
よくある質問
Q.仕事が3つ重なったら、簡単な仕事から始めるべきですか?
A.必ずしもそうではありません。短時間で終わる仕事でも、先に着手すると別の仕事の締切に間に合わなくなる場合があります。締切と他者への影響を確認し、必要な作業時間を確保したうえで判断しましょう。
Q.上司から頼まれた仕事は、必ず最優先ですか?
A.上司からの依頼でも、ほかに締切の近い仕事や、取引先を待たせている仕事があるかもしれません。優先順位が判断できない場合は、現在の作業と締切を伝えて確認しましょう。
Q.3つの仕事を同時に少しずつ進めるのはよくないですか?
A.それぞれの仕事で確認待ちが発生する場合などは、並行して進めるほうがよいこともあります。ただし、何度も作業を切り替えていると進捗を把握しにくくなるため、今どの仕事を進める時間なのかを決めておくとよいでしょう。
Q.どれから始めても間に合わない場合はどうすればいいですか?
A.必要な時間と残り時間を確認し、早めに上司や依頼者に相談しましょう。締切の変更、作業範囲の調整、ほかの担当者への分担などを検討します。間に合わない可能性が高い場合は、締切直前まで一人で抱え込まないことが必要です。
まとめ|仕事が3つ重なったら、最初の1つを決めよう
仕事が3つ同時に来たとき、すべてを一度に進めようとする必要はありません。
まずは3つの仕事を書き出し、締切、他の人への影響、所要時間を確認します。そのうえで、最初に着手する仕事と、残りの仕事を始める時間を決めましょう。
どれも急ぎで、自分だけでは判断できない場合は、上司や依頼者に優先順位を確認すればよいのです。
大事なのは、3つの仕事を同時に終わらせようとすることではなく、今、何を進めるべきかを明確にすること。
まずは手元の仕事を3つ書き出してみてください。最初の1つが決まれば、次の行動も見えてきます。
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