朝から予定がぎっしり入っている。ひとつ仕事が遅れると、その後の予定も次々にずれていく。気がつけば昼休みも取れず、夕方には「今日も予定どおりに終わらなかった」と焦っている。
そんな日が続いているなら、仕事のスピードよりも先に「予定の入れ方」そのものを見直したほうがいいかもしれません。
予定を詰め込みすぎる人は、仕事が遅いとは限りません。むしろ責任感が強く、「このくらいならできる」と多くの仕事を引き受けてしまう人ほど、過密なスケジュールになりがちです。
問題は、1日の時間をすべて「作業できる時間」と考えてしまうことです。仕事には、想定外の連絡、確認、相談、修正、移動などが必ず入ります。
予定をうまく組むポイントは、たくさん詰め込むことではありません。最初から余白を含めて仕事量を決めることです。
予定を詰め込みすぎる人は「時間」ではなく「仕事量」を見直そう
スケジュールが苦しくなると、「もっと時間を効率よく使わなければ」と考えがちです。
もちろん時間の使い方を工夫することも必要ですが、すでに予定が限界まで入っている状態では、10分、20分を節約したところで余裕はなかなか生まれません。
たとえば、実際に使える時間が6時間なのに、7時間分の仕事を入れているとします。この場合、多少効率化しても、どこかで無理が出ます。
まず考えたいのは、「どうすれば全部できるか」ではなく、「今日やる仕事は、本当にこの量でよいのか」という問いです。
予定を立てる目的は、空いている時間を埋めることではありません。必要な仕事を、無理なく終わらせられる状態をつくることです。
時間の使い方そのものを整理したい場合は、タイムマネジメントで業務効率化する方法も参考になります。
なぜ予定を詰め込みすぎてしまうのか
予定が多すぎる状態は、単に計画が苦手だから起こるわけではありません。予定を立てるときの考え方に原因が隠れていることがあります。
作業時間だけで予定を計算している
たとえば「資料作成に1時間かかる」と考え、そのまま予定表に1時間だけ確保していないでしょうか。
実際には、資料を開く、必要な情報を探す、上司に確認する、完成後に見直すといった時間も必要です。
それなのに純粋な作業時間だけで予定を組むと、少し電話が入っただけでも計画が崩れます。
「できればやりたい仕事」まで今日の予定に入れている
仕事には、今日必ず終わらせる必要があるものと、時間があれば進めたいものがあります。
ところが、この2つを区別せず予定表へ入れると、すべてが「今日やらなければならない仕事」に見えてしまいます。
予定が多い人ほど、まず仕事を増やすのではなく、優先順位をつける作業が必要です。
何を優先するか迷いやすい人は、仕事の優先順位を整理する考え方もあわせて読んでみてください。
何も入っていない時間を「空き時間」だと思っている
カレンダーを見て30分空いていると、「ここにも仕事を入れられる」と考えたくなります。
しかし、その30分は本当に空いているのでしょうか。
メールを返す時間かもしれません。前の仕事が少し延びるかもしれません。急な相談が入る可能性もあります。
予定が入っていない時間は、必ずしも余っている時間ではありません。仕事を安定して回すための調整時間と考えることも必要です。
予定を詰め込みすぎない仕事の組み立て方5ステップ
予定を減らそうと思っても、感覚だけではなかなか変えられません。そこで、1日の予定を組むときは次の順番で考えてみましょう。
1.最初に「使える時間」を確認する
まず、勤務時間をそのまま仕事時間として考えないことです。
8時間勤務だからといって、8時間すべてを予定に使えるわけではありません。休憩、メール、電話、打ち合わせ、移動、雑務などがあります。
予定を入れる前に、「今日は自由に使える時間が実際に何時間あるのか」を確認します。
2.今日終わらせる仕事を3段階に分ける
次に、頭の中にある仕事をすべて同じ扱いにせず、次のように分けます。
ここで大切なのは、「余裕」の仕事を最初から予定に詰め込まないことです。
タスクそのものが多すぎて整理できない場合は、タスク管理法を整理する考え方も役立ちます。
3.所要時間を少し長めに見積もる
予定を詰め込みやすい人は、仕事時間を理想的な条件で見積もっていることがあります。
「集中できれば30分」と考えるのではなく、準備や確認まで含めて40分、50分と見積もります。
毎回長めに見積もる必要はありません。まずは、自分が考えた時間と実際にかかった時間を比べてみるだけでも十分です。
1週間ほど記録すると、「30分だと思っていた仕事が毎回50分かかっている」といった、自分の見積もりの癖が見えてきます。
4.予定と予定の間に余白を置く
午前9時から10時まで資料作成、10時から11時まで会議、11時から12時まで別の資料作成。
一見すると効率のよい予定ですが、ひとつでも延びれば、その後がすべてずれます。
そこで、仕事と仕事の間に短い調整時間を入れます。
この余白は休憩だけではありません。遅れを取り戻したり、メールを確認したり、次の仕事へ頭を切り替えたりするための時間でもあります。
「予定どおり進んだら余る時間」をつくるのがポイントです。余ったら次の仕事を前倒しすればよく、最初から埋める必要はありません。
5.1日の終わりに予定と実績を比べる
予定を立てる技術は、一度で身につくものではありません。
その日の終わりに、「何が予定より長引いたか」「何を入れすぎたか」を簡単に振り返ります。
失敗した予定を反省するというより、自分が1日に処理できる仕事量を知るためのデータを集める感覚です。
「7割程度」を目安に予定を組むと崩れにくい
毎日の予定が崩れる人は、最初から100%近くまで予定を埋めないことを意識してみてください。
たとえば、自由に使える時間が5時間あるなら、5時間分すべてに仕事を割り当てるのではなく、まずは3時間半から4時間程度を目安に予定を組んでみます。
残った時間は、予定の遅れ、急な依頼、確認作業などに使います。
もちろん仕事の種類や職場環境によって適切な余白は変わります。大切なのは「必ず7割にする」ことではなく、自分の予定には最初から調整幅が必要だと考えることです。
予定がいっぱいになったときは「何をやめるか」を決める
予定を立てている途中で、どうしても仕事が入りきらないことがあります。
そこで「どうにか全部入れよう」とすると、また過密スケジュールへ戻ってしまいます。
そんなときは、次の順番で調整します。
- 今日やらなくてもよい仕事を翌日以降へ移す
- 不要な作業や重複している仕事をやめる
- 自分以外でもできる仕事を相談する
- 締め切りや仕事量を調整できないか確認する
予定管理というと「どう入れるか」に目が向きますが、本当に必要なのは入らない仕事をどう扱うか決める力です。
会議やメールなど、日常業務そのものを減らせそうなら、会議やメールのムダをなくす方法も見直してみてください。
タスク管理ツールを使っても予定を詰め込みすぎる場合
カレンダーやタスク管理アプリを使っているのに忙しさが減らない人もいます。
これは、ツールの問題ではなく「登録する仕事量」が多すぎる可能性があります。
タスク管理ツールは、仕事を整理したり忘れないようにしたりするには便利です。しかし、20個の仕事を登録したからといって、20個を今日中にできるようになるわけではありません。
ツールを使う場合も、まず「今日やるもの」を絞り、それ以外は別の日や保留リストへ分けるほうが運用しやすくなります。
ツールの選び方や使い方については、タスク管理ツールの選び方と使い方で詳しく紹介しています。
予定を減らせないときは、自分だけの問題にしない
ここまで予定の組み方を紹介しましたが、自分で調整できる仕事ばかりとは限りません。
上司や顧客から次々に仕事が来る。会議が多い。急な対応を求められる。担当業務そのものが多すぎる。
こうした状況では、個人のスケジュール管理だけで解決しようとすると限界があります。
何度組み直しても予定が入りきらない場合は、「予定管理が下手」なのではなく、担当している仕事量そのものが多すぎる可能性があります。
その場合は、「忙しいです」だけで終わらせず、現在抱えている仕事、締め切り、必要時間を整理して上司や関係者へ共有すると話し合いやすくなります。
「AとBを今日中に対応するとCまで終わりません。どちらを優先しますか」と具体的に相談すれば、単なる不満ではなく仕事量の調整として話ができます。
予定を詰め込みすぎないための簡単なチェック
予定を立て終わったら、最後に次の項目を確認してみましょう。
ひとつでも気になる項目があれば、予定を追加するより、ひとつ減らせないか考えてみてください。
まとめ|よい予定は「たくさん入っている予定」ではない
予定を詰め込みすぎると、少し仕事が遅れただけで1日の計画全体が崩れます。
その状態から抜け出すには、予定を効率よく詰め込む方法ではなく、自分が無理なく処理できる仕事量を知ることから始めましょう。
今日必ずやることを絞る。所要時間を現実的に見積もる。予定の間に余白をつくる。そして、入りきらない仕事は翌日へ回したり、優先順位を相談したりする。
予定表に空白があると、「もっと仕事を入れられる」と感じるかもしれません。しかし、その空白があるからこそ、急な仕事にも対応でき、予定していた仕事を落ち着いて終わらせられます。
余白は無駄な時間ではなく、予定を予定どおり進めるための時間です。
まずは明日の予定から、ひとつ予定を減らす、あるいは30分の余白を残すところから始めてみてください。
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