朝からメールやチャットに対応し、気づけば午前中が終わっている。午後は急な依頼が入り、ようやく自分の仕事に取りかかるころには、もう定時が近い。
「今日も急ぎの仕事ばかりだった」「いつも締切直前になってしまう」。そんな働き方が続いていないでしょうか。
急ぎの仕事が多いと、目の前の作業を早く片づけることばかり考えてしまいます。しかし、仕事を急いで終わらせても、翌日にはまた別の急ぎの仕事が待っている。これでは、なかなか余裕が生まれません。
見直したいのは、作業スピードだけではなく、仕事が急ぎになる前の段階で、何をしているかということです。
この記事では、急ぎの仕事ばかりになる原因を整理し、締切に追われる毎日から抜け出すための具体的な方法を紹介します。
急ぎの仕事ばかりになるのは、なぜなのか
仕事がいつも急ぎになるのは、単に作業が遅いからとは限りません。
仕事を受けるときに締切を確認していない。着手するタイミングが遅い。予定が詰まりすぎている。こうした小さな問題が重なると、本来は余裕を持って進められる仕事まで、急ぎの仕事に変わってしまいます。
まずは、次の5つの原因に心当たりがないか確認してみましょう。
1.仕事を受けた時点で締切と作業量を確認していない
「来週までにお願いします」と言われて、ひとまず仕事を引き受ける。ところが、実際に取りかかってみると、資料集めや関係者への確認が必要で、思った以上に時間がかかる。
このような経験はないでしょうか。
締切の日付だけを見て、そこまでの工程を確認していないと、着手した時点ですでに時間が足りなくなっている場合があります。
仕事を受けるときは、「いつまでに」「何を」「どの状態まで仕上げるのか」を確認することが出発点です。
2.締切が近くなるまで着手しない
締切まで時間がある仕事ほど、つい後回しにしてしまうものです。
たとえば、金曜日が提出期限の資料を月曜日に頼まれたとします。火曜日、水曜日と別の仕事を優先し、木曜日になってから作り始める。すると、確認事項が出てきても対応する時間がありません。
この場合、問題は木曜日の作業スピードではなく、月曜日から水曜日までの進め方にあります。
すぐに完成させる必要はありません。早い段階で一度着手しておけば、必要な情報や作業量が見え、後の予定を組みやすくなります。
3.予定を詰めすぎて、突発的な仕事に対応できない
一日の予定がすべて埋まっていると、予定外の依頼が一つ入るだけで、ほかの仕事が後ろ倒しになります。
会議が長引いたり、問い合わせが増えたりすることもあるでしょう。予定通りに進まない日があるのは、珍しいことではありません。
それなのに、毎日すべての時間を作業予定で埋めていると、ちょっとした変更が大きな遅れになってしまいます。
予定には、最初から一定の余白を持たせておく必要があります。
4.頼まれた仕事をすべて最優先にしている
上司からの依頼、取引先からの連絡、同僚からの相談。仕事をしていると、さまざまな人から声がかかります。
そのたびに取りかかっていると、もともと進めていた仕事が何度も中断されてしまいます。
依頼した人にとっては急ぎでも、自分が抱えているほかの仕事と比べると、必ずしも最優先とは限りません。
すべての依頼に即対応するのではなく、期限と影響を確認して、取りかかる順番を決めることが必要です。
5.自分では調整できない仕事量を抱えている
急ぎの仕事が多い原因は、個人の仕事の進め方だけとは限りません。
人員不足で一人当たりの担当業務が多い。複数の上司から、それぞれ最優先の仕事を依頼される。顧客から短納期の依頼が繰り返し入る。こうした環境では、自分だけで予定を管理しても限界があります。
仕事量そのものに無理がある場合は、上司や関係者と優先順位や納期を調整する必要があります。
急ぎの仕事が続くときは、「自分の進め方に原因がある仕事」と「周囲との調整が必要な仕事」を分けて考えましょう。すべてを自分の努力だけで解決しようとする必要はありません。
急ぎの仕事を減らすために見直したい5つのこと
原因が分かったら、次は日々の仕事の進め方を変えていきましょう。
目指したいのは、急ぎの仕事を一つも発生させないことではありません。予定外の依頼が入っても、落ち着いて対応できる状態をつくることです。
1.仕事を受けたら、最初に「着手日」を決める
仕事を受けたとき、締切だけを予定表に記入していないでしょうか。
締切を忘れないことはもちろん必要ですが、それだけでは仕事は進みません。
たとえば、金曜日が締切の報告書なら、次のように考えます。
- 月曜日:必要な情報を確認する
- 火曜日:資料を集め、構成を考える
- 水曜日:本文を作成する
- 木曜日:内容を確認し、修正する
- 金曜日:提出する
このように作業を分ければ、提出日の直前になって慌てる可能性を減らせます。
短い仕事であっても、受けた段階で「いつ取りかかるか」を決めておきましょう。
2.締切から逆算して、中間期限を設定する
一つの仕事には、目に見える作業以外にも時間がかかります。
資料を作成するなら、情報収集、構成の検討、作成、確認、修正といった工程があるでしょう。ほかの人の確認が必要なら、その待ち時間も考慮しなければなりません。
そこで、最終締切から逆算して、中間期限を決めます。
たとえば、金曜日の午後に提出する資料なら、水曜日までに初稿を完成させ、木曜日に確認と修正を行う。さらに、確認してもらう相手には、いつまでに返答が必要かを事前に伝えておきます。
「締切に間に合わせる」だけでなく、「締切前に確認できる状態をつくる」ことがポイントです。
3.一日の予定に、あえて空き時間を残す
予定をぎっしり埋めると、充実した一日になりそうな気がします。しかし、実際には急な電話や問い合わせ、打ち合わせの延長などが発生します。
そのため、一日の予定には、突発的な仕事に対応する時間を確保しておきましょう。
たとえば、午後に30分の予備時間を設けておく方法があります。予定外の依頼がなければ、翌日以降の準備や、後回しになっていた作業に使えばよいのです。
必要な余白の大きさは、仕事の種類によって異なります。問い合わせの多い職場なら、直近の実績を見ながら、より長い時間を確保する必要があるかもしれません。
時間の使い方をさらに見直したい場合は、喫茶店マスターの時間管理から学ぶワークスタイルも参考になります。
4.新しい依頼が来たら、優先順位を組み直す
急ぎの依頼が入ったときは、すぐに作業を始める前に、現在の仕事との関係を確認しましょう。
判断するときは、次の3つを考えます。
- その仕事は、実際にいつまでに必要なのか
- 対応が遅れると、誰にどのような影響があるのか
- 今取りかかる場合、どの仕事を後回しにするのか
たとえば、今日中の対応を頼まれたとしても、夕方までに終わればよい仕事なら、午前中に予定していた作業を先に進められるかもしれません。
反対に、顧客対応やトラブルへの対処など、すぐに動く必要がある仕事もあります。
大切なのは、「急ぎと言われたから最優先」ではなく、期限と影響を確認したうえで、仕事の順番を決め直すことです。
抱えている仕事の整理方法については、タスク管理を身近な発想から見直す方法も参考にしてください。
5.仕事を断るのではなく、条件を調整する
すでに予定が詰まっているのに、新しい仕事を頼まれることもあるでしょう。
そんなとき、無理をしてすべて引き受けると、既存の仕事にも影響が出てしまいます。
ただし、必ずしも依頼を断る必要はありません。納期や作業範囲、優先順位を相談するという方法があります。
「本日はAの資料作成とBの確認作業があります。今回の依頼を今日中に進める場合、Bの完了が明日になります。どちらを優先しましょうか?」
このように、現在の状況と選択肢を具体的に伝えれば、相手も判断しやすくなります。
依頼された仕事を何でも抱え込むのではなく、関係者と相談して進め方を決める。これも、急ぎの仕事を増やさないための工夫です。
急ぎの仕事が多い人ほど、前日の5分を使ってみよう
ここまで紹介した方法を、いきなりすべて実践する必要はありません。
まずは、仕事を終える前の5分間を使って、翌日の予定を確認することから始めてみましょう。
確認するのは、次の3つです。
明日が締切の仕事を確認する
明日中に終わらせる必要がある仕事を確認します。完成までの作業が残っている場合は、翌日のどの時間に取りかかるかを決めておきましょう。
数日後の締切から、先に進められる仕事を探す
明日の締切だけでなく、数日先の予定にも目を向けます。
資料集め、関係者への確認依頼、構成の作成など、短時間でも先に進められることがないか確認します。ここで一つ動いておくだけでも、締切直前の負担は変わります。
翌日の予定に余白があるか確認する
会議や作業予定を確認し、突発的な依頼に対応できる時間が残っているかを見ます。
予定が埋まっている場合は、優先度の低い作業を別の日に移せないか考えてみましょう。
前日の5分間で、翌日の締切、先に進められる仕事、予定の余白を確認する。これを続けることで、毎朝ゼロから仕事の順番を考える負担を減らせます。
一日の仕事を終えるための考え方は、関連記事「仕事が終わらない!を解決する退勤力」でも紹介しています。
それでも急ぎの仕事が減らないときは、仕事の仕組みを見直す
自分なりに予定を管理しても、急ぎの仕事が減らない場合があります。
その場合は、個人の時間管理だけでなく、仕事の進め方や職場の仕組みに目を向けてみましょう。
繰り返し発生する急ぎの仕事を記録する
まずは1週間ほど、急ぎで対応した仕事を簡単に記録してみます。
記録する内容は、発生した仕事、依頼された日時、実際の締切、急ぎになった理由です。
たとえば、毎週同じ曜日に集計資料の依頼が来るなら、前もって必要なデータを準備できるかもしれません。毎月末に確認作業が集中するなら、月の途中で進められる工程がないか検討できます。
急ぎの仕事のなかにも、事前に予測できるものがあるはずです。
同じ作業は、次回に備えて簡単にする
繰り返し発生する仕事なら、毎回ゼロから始めない工夫も必要です。
定期的な報告書にはテンプレートを用意する。よくある問い合わせには回答例をまとめる。資料の保存場所やファイル名を統一する。
こうした改善は、急ぎの仕事が発生した際の作業時間を短縮するだけでなく、普段の業務にも役立ちます。
具体的な効率化のアイデアを探したい方は、仕事を効率的にこなすための実践アイデア集も参考にしてください。
仕事量が多すぎる場合は、上司と優先順位を共有する
担当業務が多すぎて、どう予定を組んでも間に合わない。そんな場合は、現在抱えている仕事を一覧にして、上司に相談しましょう。
「忙しいです」と伝えるだけでは、状況を理解してもらいにくいことがあります。
それぞれの仕事の締切、必要な作業時間、進捗を整理し、どこに調整が必要なのかを具体的に伝える方法が考えられます。
業務の分担、納期の変更、作業範囲の見直しなどを相談し、現実的に進められる状態をつくっていきましょう。
急ぎの仕事についてよくある疑問
急ぎの仕事ばかり頼まれるときは、どうすればよいですか?
まずは、依頼された仕事の締切と必要な作業量を確認しましょう。すでに抱えている仕事と両立できない場合は、どちらを優先するか、依頼した人や上司に相談します。毎回同じような急ぎの依頼が来る場合は、依頼のタイミングや業務分担そのものを見直す必要があります。
急ぎの仕事と重要な仕事は、どちらを優先すべきですか?
一律には決められません。期限が迫っていて影響の大きい仕事は優先して対応する必要があります。一方、長期的に重要な仕事を後回しにし続けると、後でその仕事まで急ぎになってしまいます。期限と影響を確認しながら、重要な仕事にも着手する時間を確保しましょう。
突発的な仕事が多い職場でも、先回りして対応できますか?
すべての突発業務を予測することはできません。ただし、過去の依頼を記録すると、発生しやすい時間帯や、繰り返される業務が見えてくる場合があります。予測できる仕事は事前に準備し、予測できない仕事には予定の余白で対応する、という二つの考え方を組み合わせてみましょう。
まとめ|急ぎの仕事を減らすには、早く動ける仕組みをつくろう
急ぎの仕事ばかりになると、目の前の作業をこなすだけで一日が終わってしまいます。
そんな毎日を変えるには、作業スピードを上げるだけでなく、仕事の受け方や進め方を見直すことが必要です。
仕事を受けたら着手日を決める。締切から逆算して中間期限を設ける。予定には余白を残し、新しい依頼が来たら優先順位を組み直す。そして、自分だけでは対応できない仕事量は、関係者と調整する。
すべてを一度に変える必要はありません。まずは今日の仕事が終わる前に、明日と数日先の予定を確認してみてください。
急ぎの仕事を減らす第一歩は、今日の仕事を急いで終わらせることではなく、明日の仕事を今日のうちに少し進めておくことです。
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