
はじめに
本原稿はアーリーリタイア、つまり早期退職や高齢者になる前に雇用を離れて自由に暮らす方法について説明しています。
最近ではFIREという概念で20代から30代を中心に早期に引退することが注目されています。
FIREとは「Financial Independence, Retire Early(経済的自立と早期リタイア)」の頭文字です。中高年における早期退職とFIREは考え方が異なります。
まずはアーリーリタイアとFIREについても説明してから、それらを実現するために知っておきたい知識について記します。
1.アーリーリタイアとは定年前に引退すること

日本では昭和初期から55歳が定年とされ、今でいう働き盛りのときに第一線を引くのが普通でした。
しかし、高度成長期を過ぎて、団塊の世代以降、人口減少が社会問題になってくると働き手の不足が懸念され、段階的に定年年齢が引き上げられてきました。
1980年代になると60歳定年が努力義務になり、1990年に再雇用が義務化されました。1998年に60歳定年となり、2006年には65歳定年が義務化されました。
そしてなんと!2021年4月からは定年70歳が努力義務とされるようになったのです。この流れでゆくと70歳定年の義務化は早晩行われると考えてもおかしくないでしょう。
年金の受給年齢は原則65歳ですが、70歳を標準とする考えも出てきています。
セミリタイアとアーリーリタイアの違いは?
セミリタイアとは、アーリーリタイアとは意味が異なります。アーリーリタイアは早期退職者であるものの何らかの仕事をしながら余生を過ごすことです。
自分のライフスタイルを守りながらアルバイトやフリーランスなどで収入を得て生活することが基本となります。
そのため、セミリタイアで得る収入は生活のためというより、余暇を楽しむため、人生を充実させるために使われることが多い傾向にあります。
セミリタイアの意味合いを考えると会社の定年より早期退職した人なので、およそ65歳以前に会社をやめた人、あるいは事業を引退した人が対象になると考えられます。
一方、アーリーリタイアは仕事から完全に離れた暮らしが前提となります。収入は年金や不動産、株などの運用、子供からの仕送りなど、さまざまです。基本的には会社勤めなどはしません。
セミリタイアもアーリーリタイアも好きなことをするため?
私の知人にもセミリタイア、アーリーリタイアの経験をしている人がいます。
セミリタイアをした人は大手メーカーを定年退職後、趣味の茶器やミニチュア品の売買を行っていましたが、その後、起業。
セミリタイアで好きな物品の売買をして気負いなく暮らしていたのですが、もともと仕事をすることが嫌いでなく、本格的に起業したのです。セミリタイア経験者といえそうです。
アーリーリタイアした人は、大手人材会社を40代で早期退職したのち、地方の漁協に再就職。その後、60歳代で仕事を完全引退したと聞きます。
もともと釣りが好きで、漁協なら好きな釣りに近いと分野と考えて再就職しました。40歳代でしたからバリバリ働ける年齢です。海辺の街に移住しても現地に溶け込めたようです。
漁協を退職後は、毎日好きな釣り三昧で暮らしています。会社で早期退職者の制度が設けられてからアーリーリタイアを考えており、計画、実行、時代背景の三つがうまく合わさった例ですね。
2.FIREとは経済的に自立して何者にも束縛されない生き方

今の20代、30代が目指す「FIRE」とアーリーリタイアは少し意味合いが異なります。FIREの場合は経済的な自立を目指すことが主に置かれます。
できるだけ若いうちに蓄財、または収入を得る方法を確立して自由人になることを目指します。
会社勤めで自分を押し殺して長年働くより、早い時期から好きなように人生を楽しみたい。そんな目標や夢を持っています。
そうしたことを実現するために10代、20代で投資を勉強したり、高収入が見込めるプログラマーなどの副業でお金を貯めたり、あるいはブログやSNSなどを通じて第2の収入源を確保したりしています。
方法は多様化していますが、その目標の目安は年間支出の25倍と4%ルールの実践が存在しています。
FIREの目標金額が7500万円と言われる根拠とは
若い人は闇雲にブームとしてFIRE目指しているのではありません。その指標のひとつになっているのが7500万円の蓄財という数字です。
7500万円という金額は年間の支出を300万円とした場合、その25倍に相当します。2020年の総務省「家計調査」によると、2人以上の勤労者世帯の消費支出は1カ月平均305,811円。
これは全国平均であり、年間なら3,669,732円となります。300万円では平均値からすると不足になります。
ちなみにもっとも支出が少ないのは沖縄で22.61万、最も多いのは関東の32.18万円となっています。その他、東海は30.65万円、近畿は28.96万円、中国は29.77万円、四国は28.24万円となっています。
このように考えると年間支出300万円を基準とし、その25倍である7500万円というのはある意味妥当な数字です。まったく運用しなくても物価上昇率を考えなければ25年は生活できる金額だからです。
7500万円を運用して年間300万円を得る4%運用とは
7500万円を貯蓄していたとしても使ってしまえば、いればいずれ無くなります。しかし、株式投資や不動産投資で元本である7500万円を4%で運用すると年間の運用益は300万円になります。
300万円で生活できるスタイルを確立しており、順調に4%以上で運用することができれば、元本が目減りすることはありません。
これがFIREを目指す人の目標になっているのです。例えば、投資の中から世界の株式の利回りをみてみましょう。これは、さまざまな方式で計算されます。MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス (ACWI) (円)でみると長期になるほど運用益は安定し、ここ20-30年のデータでは7%台から8%台で、4%はむしろ小さい方です。
3.アーリーリタイアやファイヤーで必要な金額の目安とは?

25年暮らすために7500万円必要とはいうものの、毎年の物価上昇率を加味した数字で考えるのが無難です。ここではいくつかの物価上昇率のパターンから数字を出します。
●2017-2021年の日本の物価上昇率(平均約1.073)として25年間生活するために必要な金額(らくらくシミュレーション)
支出合計額 85,500,490円
日本の安定した物価上昇率で300万円を基準とした場合。年々物価が上がり続けたとしたら25年間で約8550万円の支出がある計算です。
●2017-2021年のアメリカ並みの物価上昇率(2.44%)で25年を計算した場合。
支出合計額 101,680,688円
アメリカのように好景気が続くとすれば、約1億円の支出がある計算になります。
50歳代リタイア&ファイアーを目指すなら20代から
ちなみに7500万円だと足りない!そう感じるかもしれませんが、年利4%で年間300万円です。これが5%で運用した場合は375万円となります。
5%で7500万円まるまる手をつけず25年間運用すると約2億5000万円になります。
壮大な数字ですが、現実的にみてみましょう。
毎月10万円積み立て投資で利回りが4%の場合で試算します。
●10年で14,724,981円
●20年で36,677,463円
●30年で69,404,941円
●31年で73,454,852円
●32年で77,669,762円
毎月10万円を投資など運用し30年経てば約7000万に到達するのです。仮に25歳で始めると55歳でFIRE可能範囲、もう2年頑張れば7500万円を突破します。
※計算は資産運用かんたんシミュレーションを使用。
ちなみに初期投資200万円で毎月10万円積み立て、6.0%で運用した場合は、20年で約5300万円となります。30歳で200万円投資して、それからこつこつ毎月10万円ずつ続けると50歳のときには資産約5300万円となる計算です。
30歳代からリタイア&ファイアーを目指すなら
30歳代からファイアーを目指す人もいるでしょう。その場合の趣味レーションをしてみます。33歳貯金ゼロの人間が一念発起して、毎月15万円を投資にあてて積み上げるとします。
運用利回り4.0%の場合
24年で72,338,866円!ファイアー!
33歳からはじめたとしても57歳でリタイア&ファイアーが可能になります。運用利率が6%などの場合は、20年で69,306,135円です。
実際に早期リタイア&FIREしている人とは
日本財託グループが実施した「不労所得のみで日々の生活を賄える状態である「経済的自由」を実現しているかどうか」などの項目についてのアンケートをした中で、FIREについては以下のような結果になっています。

経済的自由を達成したと回答した人のうち、約40%が50代以下の現役世代でした。なお、このうち半数を超える37名がFIRE(早期退職)まで実現していると回答しています。
このデータは不動産所有者ですが、半数の人がFIREを実現している結果となっています。
出典 ;PRタイムス【日本財託】不動産投資とFIREに関するアンケート調査結果 回答者の7人に1人が「経済的自由」を達成より
4. 早期リタイア・ファイアーをするには
お金を生み出す仕組み+副業などの収入

50歳くらいを目処にアーリーリタイアやファイアーを行うには20代、30代からはじめるのが理想です。もちろん、45歳や50歳でリタイアして貯金や退職金などを使い、年金生活に突入するのもありです。
しかし、本原稿を読んでいる人は、遅くとも50歳代、早ければ40歳代でファイアーしたい人だと思われます。それには、いくつかの方法があります。
企業に勤めることなく、自営業としてビジネスを成功させるのも方法でしょうし、リスクが高いと言われるFXなどで短期的に稼ぐという方法もあります。運良く、親の遺産を相続することもあるでしょう。人によっては競馬などで一攫千金を考えるかもしれません。
しかし、いずれもそう簡単にできるとは思えませんし、一発逆転などはもってのほかです。
基本的な方法としては、リスクを分散しながら投資などで自然にお金が増える仕組みを設けることと、副業、アルバイトなどで、本業以外の収入をつくることです。お金を作る方法について以下で述べます。
1. 不動産取引による収益
不動産取引って、そんなに簡単ではないのでは?そう思う方もおられると思います。しかし、安く買って高く売るという不動産取引ではありません。
不動産を買って賃貸にする方法というのがあります。自分にはムリだと思わずに読んでいただけるとありがたいです。
私の知人で中古の住宅を購入し、リフォームして賃貸収入を得ている40代の男性がいます。この人の特長はリフォームをすべて自分で全て行うこと。趣味と実益を兼ねて30代の後半からこのスタイルの副業をしています。
今では、給料と同等の収入を得るまでになっています。さすがにリフォームしてまでは・・・と言う方は不動産投資を別の形で考えるが方法としてあります。
実際に投資会社、不動産専門の投資会社が、相談会などを実施しています。
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2. アルバイトによる収入
アルバイトの収入がもっとも手堅い方法です。デザイナーやライターなどは専門学校の講師として週に何回か働き、本業以外の収入を得ています。土曜日に飲食店でアルバイトをして食費を浮かして収入を得ている人もいます。
プログラミングなどを学び、ホームページ制作やコーディングなどで副収入を得ることも可能です。特に今はさまざまな企業がDX化を行い、第三次ホームページ制作の隆盛期を迎えています。ちなみに第一次は2000年ごろ、あらゆる企業がホームページの導入を始めた頃で、第二次はスマホ登場に合わせた時代、そして現在、マーケティングと結びつく形でホームページ制作がブームになっているのです。
もっともプログラミングやデザインの場合は副業に近いですね。
アルバイトも最近ではスキマ時間に登録して気軽にできる時代になりました。本業とは違う仕事をすることで新しい世界にも触れられるのでいいのではないでしょうか。
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3. ブログやSNSで収入を得る
副業が解禁された2018年ごろからプチブームを起こしているのがブログやSNSを利用して収入を得る方法です。
収入は広告掲載型と広告成約によるものです。例えばグーグルの広告を自分が作っているサイトで掲載して、広告費を得ます。人気ブログになると月間30万円〜40万円になります。
もっとも1万PVで3000円〜4000円程度なので、30万、40万稼ごうと思えば月100万PVは必要になってきます。
ただ、月に10万PVほど閲覧者が増えてくると、独自で広告を取ることが可能です。ある古着サイトを運営している知人は、月に数万PVですが、何軒かの古着店と契約して、月間3〜5万円の収入を得ています。
ブロガーといわれる存在にならなくても独自で広告枠の料金を設定することで、収入を得ることが可能なのです。
アフィリエイトといわれるのは、ブログなどで特定の商品を紹介して、収入を得るものです。安いので1円〜、高いのになると数万円という契約があります。
アフィリエイターと呼ばれる人たちの中には月に数百万円もの収益を上げる人がいる一方で、数年間取り組んでも月に1万円にもならないという人がたくさんいます。
文章を書くことが好きであったり、何か趣味の情報を発信したいという方なら趣味と実益を兼ねてブログ運営をするのはいいかもしれません。
4. 在宅プログラマーとして収入を得る
アルバイトの項目でも書きましたが、日本ではエンジニアが不足しており、比較的賃金がいいアルバイトや在宅仕事としてプログラミングが注目されています。クラウドソーシングの充実とも相まって仕事が得やすなっており、文系大学生や高校生もプラグラミングにチャレンジしています。
稼ぐためのプログラミングは何年も学ぶ必要はありません。ホームページ制作に限っていえば、HTMLとCSSを学べばそれでスタートできます。ただし、PHP、JavaScript、それを発展させたjQueryなどもマスターしたいものです。
また、若い人でたとえ文系でもプログラミングを学び、エンジニアとして高収入を目指している人がいます。エンジニアとして経験してから在宅でフリーランスなどを目標にするのです。
最近では、無料でエンジニアの勉強ができ、さらに就職を斡旋してくれるサービスも登場しています。
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5. 株や投資信託による資産形成
アーリーリタイアやファイヤーで必要な金額の目安とは?でも述べましたが、アーリーリタイアやファイアーを目指すには、お金がお金を生み出す仕組みを取り入れることは不可欠です。
お金に関するリテラシー教育は長年日本ではタブー視的な扱いを受けてきました。それもあって間違った情報を判断することができずに詐欺に合う人が後を絶たず、また市場にお金が流通する機会が減ることで経済までも停滞するようになってきました。
しかし、今は違います。株取引が少額ではじめられるようになり、SDGs、エコロジーやプライベートファンド、クラウドファンディングなど、さまざまな金融系商品やサービスが登場しています。
投資による資産形成で重要とされるのは分散投資です。リスクを考えてさまざまな商品を組み合わせます。
株やFXなどで1日1〜2万稼ぎ、それを貯めるという考えもありますが、収益が上がっているときはいいのですが、損益となり、それを回収しようとしてさらに損をするということもあり得るので、やめたほうが無難といえます。
5. アーリーリタイアやFIREの前に考えるべきこととは

アーリーリタイアやFEIREをしても生活は続きます。むしろ、早期退職やファイアーを考えている人にとっては、そこからが本当の人生というべきものです。
リタイア後の生活は?
まず、全体的な生活費を考える必要があります。退職後は、住む場所も自由になるので、場所選びは重要なポイントです。
持ち家の人は、それを賃貸に出して、別のところに住むのもありです。家を持っていると管理などにも費用がかかるので、売却するのも選択となります。
生活費は住む地域によって大きく変わりますので、事前に調べておきましょう。
リタイア後の仕事は?
前述した私の知人は、リタイア後はインターネットを通じて趣味の商品の売買はしていましたが、基本的には完全休養に近い形です。2年ほどは、夫婦で旅行などを楽しんでいました。
仕事をするメリットはやはり社会参加です。ですので何かしら社会と関わる方法は考えおきましょう。仕事といっても収入を得るばかりが仕事ではありません。ボランティアも立派な仕事です。
ただし、早期退職の場合は国民年金・厚生年金などの加入年数が満たない可能性もなきしもあらずです。その際は、少なくとも国民年金・健康保険料を支払える収入は何らかの方法で確保したほうが安心できるでしょう。
リタイア後の資産運用は?
ファイアーの理論では4%ですが、実質的にはそれに物価上昇率を加える必要があります。日本の物価上昇率はここ十年ほどの間は、1.011%から1.079%(2012〜2021)ですので、それを足し算すると5〜6%で運用するのが目標になります。
欧米では5〜6%はありえる数字ですが、実際のところ日本の物価上昇率では運用益は1〜2%が現実的な数字。株式投資をするなら日本株はもとより、外国株などについてもしっかりと勉強する必要があります。
一番ダメなのは銀行や証券会社の勧めるままに何の疑いもなく運用を任せてしまうことです。資産家のように何十年も付き合いのある証券マンやバンカーがいるならまだしも、窓口の相談から始める場合は、まず、知識はしっかりと身につけておきたいものです。
リタイア後の年金は
現在、公的年金の支給開始は原則65歳となっています。ただし、60歳から65歳までの間に繰上げて減額された年金を受け取る「繰上げ受給」や、66歳から75歳までの間に繰下げて増額された年金を受け取る「繰下げ受給」を選択することができます。
国民年金(老齢基礎年金(満額))は令和3年度月額で65,075円、厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)月額220,496円となっています。※金額の出典:令和3年4月分からの年金額等について
結婚することを前提とした夫婦2人の場合なら年金で暮らして行けます。しかし、これから先の人生を生きる人にとって、転職や離職などを考えると必ずしも安心できるとは言えません。
実家のことも考えねばならない
アーリーリタイアやファイアーでは、日本人の平均寿命を考えると両親が健在であると考えなければなりません。そうなった場合、介護の問題がいずれ出てきます。場合によっては実家に戻るという可能性も含んでいます。両親が経済的に自立できているなら問題は少ないかもしれませんが、少なくとも両親がどのような老後を考えているのか、事前に話を聞くのは悪くありません。
6. アーリーリタイアやFIREのメリットとデメリットは?

早期退職やFIREを目指すこと、実施することでそれぞれ、メリットとデメリットがあります。どのようなものがあるのか考えてみましょう。
アーリーリタイア・FIREのメリットとは
お金を道具として認識するようになり、マネーリテラシーが向上すると考えられます。それによってお金に縛られないものの見方を体感します。
ストレスがなく生活できる
アーリーリタイアやFIREのもっともいいのは、仕事のストレスから解放されることです。煩わしいと感じる人間関係もなくすことが可能です。ストレスフリーに近い生活を実現できます。
生活費を倹約するようになる
リタイアを若いうちから意識することでムダ遣いをなくしたり、倹約することが生活の一部になります。本当に必要なもの、価値のあるものの見分けがつくようになります。
リタイア後は時間に追われることがない
リタイアした後、少なくとも生活費の心配はしなくていい状態になっているので、仕事をしてもしなくてもいい生活となります。
仕事をしているときのように時間に制約を受けて好きなことができないということもありません。もっとも趣味にお金がかかるようなら、収入については見直す必要があります。
好きなことに時間をかけられる
リタイア後は多くの時間を持てます。好きなことに没頭できるので、充実した人生を歩むことができます。時間がないときにはお金のかかるようなことでも、時間と工夫でお金をセーブして楽しめることはいくらでもあります。リタイア後は時間が財産になると考えてもいいでしょう。
住む場所に縛られることがない
子供がいると学校の近く、仕事をしていると通勤できる範囲など、住む場所はライフスタイルによって制限されます。しかし、リタイアした後はその選択を制約する条件が極端に少なくなります。
生活費に上限があるため、物価の高い地域を選ぶのは、難しいかもしれませんが、静かでのんびりしたところに居を構えることなら十分に可能です。日本より物価の安い海外へ移住する方もいます。
アーリーリタイア・FIREのデメリットとは
長期的な計画になるので、必ずしも想定通りになるとは限らないことです。
想定通りの運用益が出ない場合もある
2022年の世界的な成長率が維持されるなら想定通りの4%での資産運用は可能かもしれませんが、景気は後退局面もあります。そうなった場合、必要な運用益を確保できない可能性があります。
資産運用に関しては常にアンテナを張り、柔軟に対応できるように知識と経験を積んでおきましょう。
想定外の出費が必要になるときがある
年間300万円という金額で足りない年があることが考えられます。特に病気や事故など健康に関わる出費は高額になるケースがあるからです。
日本では医療費が高額になると国が負担してくれますが、治療方法などを自分で選択したい場合は、必ずしも保険適用になるとは限りません。また、前述した通り、親の介護なども考えられます。
インフレや円安などの社会的な影響が大きい
リタイアして資産が増えない状況になり、困るのが物価の高くなるインフレです。日本は20年以上でデフレが続いているので、これまで物価高を日常的に感じることはありませんでした。しかし、今後も同じような状況が続くとは考えられません。
日本を除いた多くの国は物価が上昇しているからです。日本のデフレは円高に支えられていた面があります。しかし、円安にシフトチェンジすると物が必然的に高くなってしまいます。
リタイア後の計画も修正しなければならないことは前提としておきましょう。
社会的な信用の低下やキャリアのストップ
リタイアして肩書きがなくなるといわゆるただの人。元社長、元部長などの肩書きはもちろん、企業名も元社員ということになります。かつて、大企業に勤務してリタイアしたあと、年賀はがきの枚数が極端に少なくなったという話はリアルです。
会社員であれば組めるローンなども無職の状態では組みづらくなります。社会的に信用が低いとクレジットカードなども作られないケースがあります。
漫画の島耕作シリーズで社外取締役編が始まりました。島耕作のように退職後にキャリアを積むことができればいいかもしれませんが、リタイアはまさに引退なので、キャリアはそこまでです。
アーリーリタイアやFIREができる人とは

自分の未来をしっかりと見据えるわけですから、少なくとも計画を立てられて、それに向けて実行できる人となります。
十分な貯蓄や資産を形成するのには、少なくとも金融などの知識も必要になります。
また、健康にも気遣い、成人病などにならない生活が送れる人です。
人生設計を早い段階で立てて、ひとつひとつ積み上げてゆく地道なことができるのも条件になるでしょう。
まとめ
アーリーリタイア、ファイアーのために知っておくべき7つの知識を紹介しました。
- アーリーリタイアの意味
- FIREの意味
- リタイアに必要なお金
- 早期リタイアのための行動
- アーリーリタイアやFIREの前に考えるべきこと
- アーリーリタイアやFIREのメリットとデメリット
- アーリーリタイアやFIREができる人とは
言葉だけはアーリーリタイアもFIREも実現しません。計画と行動に目を向けて、素敵なリタイアを目指しましょう。