食のプロとして新たなニーズがある
食の安全や食育に対する意識の高まりから、食関係の資格を取る人が増えています。食関係の民間資格は現時点で15個以上もありますが、その中でもタレントのローラさんが取得したことで知られているのが食生活アドバイザーです。
食生活アドバイザーの資格はどの程度仕事に役立つのでしょうか?また副業に生かすとしたら、どんな職種できるのでしょうか?食生活アドバイザー資格の詳細と仕事への生かし方をまとめました。
食生活アドバイザーとは
主催団体は?
食生活アドバイザーとは、一般社団法人FLA(Food&Lifestyle Adviser)ネットワーク協会が主催する民間資格です。「食の問題解決ができる人材育成」を目的として、「食」と「生活」に関わる各種事業を展開しています。食生活アドバイザーのほか、野菜スペシャリストという資格もFLAの主催です。
そんな同法人主催の食生活アドバイザーは、仕事に直結するとはいえないものの、食品関係業や卸売業など食品を取り扱う多くの企業で取得を推奨されている資格です。資格手当や昇格条件の対象となっている企業もあり、食関係の仕事に就いている場合は取っておいて損はないでしょう。
食生活アドバイザー資格の取得方法|いきなり2級も可能
食生活アドバイザーには2級と3級があり、いずれも下記6分野の知識が問われます。
- 栄養と健康
- 食文化と食習慣
- 食品学
- 衛生管理
- 食マーケット
- 社会生活
受験チャンスは年に2回あり、特に受験資格の制限はありません。いきなり2級を受験することもできますし、タブル受験も可能です。資格勉強をするには、参考書を買って独学するか、ユーキャンや産業能率大学総合研究所などの通信講座を利用するとよいでしょう。
食生活アドバイザーのスキルをこれから仕事で生かしていきたいなら、2級の取得がおすすめです。理由としては、3級の範囲では主に消費者の目線で食について知識を深めればよいのに対し、2級では食を提供するメーカーや飲食店側の視点も習得するからです。仕事に活用するためには、ビジネス目線で「食」の知識を身につけておくべきでしょう。
食生活アドバイザー2級の取得方法
- 資格要件の確認: 食生活アドバイザー2級の資格要件を確認しましょう。食育の知識や技能に関する基準を満たす必要があります。
- 試験日程の確認: 試験は年に2回(6月と11月)実施されますので、試験日程を確認しましょう。
- 試験内容の把握: 選択問題と記述問題からなる試験で、合格点は123点中74点以上となっています。試験範囲や試験形式について詳細を把握しましょう。
- 学習方法の選択: 通信教育講座やスクールでの受講、独学など、自分に合った学習方法を選びましょう。通信教育講座やスクールではサポートが受けられますが、費用がかかる一方、独学では自己負担で学習計画を立てる必要があります。
- 学習の実施: 選択した学習方法に従って、食育の知識や技能を習得しましょう。教材や模擬試験を活用して、試験範囲をカバーするように学習を進めます。
- 試験の受験と合格: 試験日に試験を受け、合格点を目指します。試験合格後、関連する機関や団体から食生活アドバイザー2級の資格証が発行されます。
繰り返しになりますが、食生活アドバイザー3級と2級を同時に受験する「ダブル受験」が可能です。3級と2級は内容が一部共通しているため、効率的に合格を目指すことができるでしょう。
副業で食生活アドバイザーの資格をおすすめする理由
食生活アドバイザーは、食品関係の業界はもちろんのこと、医療や介護、保育、美容などの業界とも相性がよい資格です。そのため、上記の分野で仕事をしている人にとっては、資格を取得して副業経験を積むことで、本業に役立つ経験や学びを得られます。たとえば調理師免許や管理栄養士などの資格を持っている人であれば、組み合わせることで相乗効果も期待できるでしょう。
また食生活アドバイザーの知識が生かせる副業で経験を積んでから、独立起業してフリーランスの道を選ぶこともできます。キャリアの選択肢を広げ、経験値を増やすために、資格取得後はぜひ副業を通じて実績を増やすことをおすすめします。
食生活アドバイザーの資格にはどんな求人があるの?
ここではさまざまな求人誌を参考にどんな求人があるのかを調べました。
求人応募における食生活アドバイザー資格の扱い
食生活アドバイザー資格が要件に書かれている求人募集は、ほとんどが食品関係です。いずれも食生活アドバイザーが必須というわけではなく、あると望ましいという程度です。
したがって、資格を積極的にアピールして好条件の仕事につくというよりも、習得した知識を活用しながら経験を増やすという意識のほうがよいでしょう。
実際の求人内容
たとえば求人サイトIndeedでは以下のような求人が出されていました。正社員からアルバイト・パートまで様々で、資格の有無によって給与の差はないものが大半です。しかし、こと採用に関しては、単に興味がある人より有資格者が優先されるのではないでしょうか。
- キッチンカーの下ごしらえ・盛り付け
- 飲食店の調理補助
- オーガニック食品専門店のレジ
また食品業界以外では下記のような業界の求人応募も見受けられました。
- 通信講座の教師
- 家事代行
- 健康アドバイザー
上記のうち、健康アドバイザーについては業務内容がイメージしづらいかもしれません。求人応募の内容を見ると、健康の要素を組み込んだ新メニューの開発やブランド力を高める健康関係の企画立案や発信を行う仕事のようです。
食生活アドバイザーの資格の勉強で学んだことをどんなお客様に生かしていきたいのか、自分の方向性を見定めてからチャレンジする求人を選びましょう。
食生活アドバイザーのスキルを副業で生かす方法とは
食生活アドバイザーの資格が使えそうな求人に応募する以外にも、学んだ知識を生かして
副業をスタートすることはできます。具体的な方法として、以下の3つを取り上げました。
- ココナラ でのサービス出品
- 家事代行や家政婦サービスを展開する
- 料理や食材選びを教える先生になる
ココナラでのサービス出品
食生活アドバイザーのスキルを副業で生かすなら、最も簡単な方法の一つがココナラを使ったサービス出品です。食生活アドバイザーを活用した商品として、たとえば次のようなサービスが公開されていました。
- 「本気で痩せたい方限定。有資格者がサポート致します」(ダイエット)
- 「食生活アドバイザーが代わりに考えます」(料理・レシピ)
- 「離乳食完了〜6歳までのお子様の食の悩みに答えます」(子育て・教育の相談)
価格帯としては、ダイエット分野であればトレーナ-資格などとの組み合わせで1万円前後、献立や離乳食レシピの作成であれば1000~2000円程度が多いようです。
家事代行や家政婦サービスを展開する
食生活アドバイザー資格をすぐに活用しやすい副業が、家事代行や家政婦サービスです。たとえば暮らしにまつわるサービスを掲載してる「暮らしのマーケット」で家事代行・家政婦サービスをチェックすると以下のような商品が出されていました。
- 【横浜市東京南部・家事代行】ヘルシー料理リピーター多数。エコ洗剤掃除。
- 料理代行サービス(作り置き、お買い物、整理収納、掃除など)
- 健康家庭料理作ります!
整理収納アドバイザーの資格取得者が多く、食生活アドバイザーの資格を全面に打ち出したサービスはあまりありません。ただし、料理代行のサービスをアピールポイントにするのなら資格を生かすことも可能でしょう。主婦歴が長い人や子育て経験がある人にもおすすめです。
料理や食材選びを教える先生になる
ストアカのように学びたい人と講師をつなげるプラットフォームを使えば、料理や食材についてレクチャーする講師業にもチャレンジできます。実際にストアカを調べてみると、食生活アドバイザー資格の保有者が次のような講座を開講していました。
- 4つの食材で下準備OK!簡単時短!みーまま直伝アレンジレシピ4品
- 【オンライン開催】ファスティング勉強会〜腸内デトックスダイエット法
- 【コース開催】簡単に栄養学が学べるオンライン授業
食生活アドバイザーの資格を生かした講座はまだ数が少ないため、これからが狙い目かもしれません。
ネットの開業サービスやオリジナルサイトを作成して集客する
さまざまなサービスを自分で行う副業といえども宣伝は必要です。特にスマホ時代の今はスマホとPCの両方でアピールできるWebサイトは必須。
Webショップやサイトを作成するなら、ネットショップが手軽に開設できるXserverショップ や、CMでもおなじみのBASE などがおすすめの他、スキルをアピールして副業として稼げるココナラ などの利用を考えましょう。
忙しくて時間がない方はコンテンツ制作をまるごと頼めるサブ丸もおすすめです。サブ丸は楽しみワークスの運営会社が制作するので安心できますが料金が事業者レベル。月額77,000円〜なので事業化して本格的に始める際に検討してみたいサービスです。
まとめ
食生活アドバイザーは単体ではアピールには弱く、仕事には直結しない資格といえます。ただし、食品関係の仕事をしている人にとっては社内でも必要とされる知識が多く、資格取得が推奨されるケースも珍しくありません。そのため、現在の本業や所有資格と組み合わせて相乗効果が狙えそうなら、ぜひ食生活アドバイザーにもチャレンジしてみましょう。
食生活アドバイザーの資格を副業に生かすなら、ココナラなどを使って献立レシピ作りや離乳食のアドバイスなどのサービス出品から始めていくと、比較的ハードルが低めです。また即収入にはつながりませんが、ブログやYouTubeなどのSNSを使って自分の食の知識を発信することで見込みのお客様を増やしていくやり方もおすすめです。