繁盛店が実践している飲食店の4つのレジャー性とは

仕事のスキルアップ
アフターコロナの飲食店経営
新しいことが体験できることが飲食店経営のカギ

はじめに 〜飲食業は「自炊」とも戦わなければいけない時代に〜

かつて飲食業は「不況に強い業界」といわれていました。食は人が生きるうえで必要不可欠な要素だからです。しかし、コロナによる不況で、まっさきにダメージを受けたのは飲食業界でした。飲食業界が今後どのように変化するのか、不安に感じている経営者の方も多いのではないでしょうか。

コロナ禍が飲食市場にもたらした変化としてまず挙げられるのは、コンビニやスーパーによる中食の普及でしょう。また、ウーバーイーツをはじめとしたデリバリー産業の発展も無視できません。さらに、ステーホームの影響で「自炊」をする人も増加しています。

株式会社ポケットマルシェの調査によると30歳以下から55歳までの幅広い世代が「自炊が増えた」と回答しています。56歳から61歳以上の層は、元々自炊率が高いと思われることから、社会全体で自炊頻度の水準が上がったと考えられます。

【withコロナ時代の「食」に関する男女7,700名の意識調査】コロナ下で約6割が自炊が増え若年層ほど顕著、自炊頻度のピークは「5月」 増加理由は8割が「感染予防のため自発的に外出を控えた」と最多 〜約半数が「困っている生産者の支援」でオンライン直販の利用を開始、生産者とのつながりを重視〜 | PocketMarche
全国の農家や漁師などの生産者と消費者を直接繋ぐ「ポケットマルシェ」を運営する株式会社ポケットマルシェ(本社:岩

このように市場が変化する中で、アフターコロナになっても飲食業、特に外食産業は厳しい状況が続くと見られます。少なくとも、今や外食産業は、「人が生きるうえで必要不可欠なもの」というわけではなくなっています。

そこで本記事では、「お客はなぜ飲食店を利用する?」という根源的な部分から、アフターコロナにおける飲食店の経営を考えていきます。これから飲食業で起業しようと考えている方も、ぜひ参考にしてください。

お客はなぜ飲食店を利用する?

お客が飲食店を利用する理由は、大きく2つあります。それは利便性とレジャー性です。

利便性とは、身近かつ手軽ということです。自宅の近所や通勤・通学の経路上など、「通える場所」にあり、なおかつ「行くだけで料理を食べることができる」から、お客は飲食店を利用します。片道1時間もかかったり、料理にありつく前にいろいろな手順を踏まなければいけない場合は、「家で食べるほうが早いし楽だ」となります。

レジャー性とは、体験を提供することです。レジャーには「生活をより豊かにする喜びや楽しさ」という意味があります。料理の美味しさはもちろん大事ですが、それだけでなく「わざわざ店に来たかいがあった」とお客に思ってもらえる体験を提供することがレジャー性です。付加価値あるいは「モノ・コト」でいう「コト」にあたるといえます。

利便性での勝負だと勝ち目は薄い?

駅前や住宅密集地への出店、そしてオーダー受付後の迅速な料理の提供など、利便性を追求するのは、よほどの資本を持っていない限り、得策ではありません。

ここでは立地的な利便性、作業的な利便性の2つからその理由を説明します。

立地的な利便性で勝てない理由

まず立地的な利便性でいうと、出店計画をどれほど頑張っても、コンビニやスーパーには敵いません。特に都心部では、ワンブロック歩くごとにコンビニを見つけられます。それを上回るほどの流通網を構築するのは、まず不可能といえるでしょう。

「飲食店には『味』がある」と思われる方もいるかもしれません。しかし、コンビニ食品は品質の向上を絶えず行っていますし、ヒット商品も数多く生まれています。また、スーパーの中食は、惣菜をはじめ冷凍食品やレトルト食品でも、消費者を十分満足させるほどクオリティが向上しています。

自炊派も競合として考えるべき

調理の利便性では、デリバリーが主な競合となります。現在はウーバーイーツや出前館などを通じ、外食一本でやっていた企業がデリバリーに参入するケースもかなり増えました。しかし、デリバリー用の新たなオペレーションを開発したり、それまでになかった作業が発生したりと、参入による経営負担はゼロではありません。何より、そのようなお店が提供する料理はデリバリー向けではなく、店で食べることを前提につくられたものです。そのため、味や見た目の品質が著しく低下してしまう可能性があります。これは店の評判にも結びついてしまうため、決して無視できないリスクといえます。

また、調理という利便性を見た場合、自炊とプロの味の差は埋まりつつあります。味の素株式会社の「CooK Do®シリーズ」をはじめ、食品メーカー各社からは時短で簡単に調理できる商品を販売しています。

まだまだ先の話かもしれませんが、例えばロボット料理人が一家に一台という日がくれば、自炊に対してもプロの味の優位性がなくなってしまうかもしれません。

● 立地的な利便性ではコンビニやスーパーが競合になる
● コンビニやスーパーと流通で勝負するのは難しい
● 作業的な利便性ではデリバリーが主な競合相手になる
● デリバリーへの参入にはコストもあり、自社の評価を下げるリスクもある

レジャー性で勝負に活路を見いだす

利便性という土俵で戦うのが難しいのであれば、活路を見いだすにはレジャー性で勝負するのがひとつの方法と考えられるのではないでしょうか。いえ、というよりもむしろ、積極的にレジャー性で勝負すべきでしょう。というのも、楽しさや喜びという体験はお店でないと提供できないからです。

では、お客はどういったものからレジャー性を感じるのでしょうか。以下はその一例です。

  • ●料理の味(厨房から直接提供されるがゆえのぬくもりやこだわり)
  • ●盛りつけ(料理のよそおいや使用されている食器)
  • ●外観、内装(非日常の演出)
  • ●接客(スタッフと交わす会話も店ならではの「経験」)

この他にも、例えば「店の常連になる」という精神的な満足感を得たり、「おしゃれをして出かけたい」という欲求を満たすことも、レジャー性といえるでしょう。

「特別な体験」というと、客単価の高いお店だけが提供できるものと思われがちです。しかし、お客にはエレガントなムードを求める人もいれば、家庭的な雰囲気を好む人もいます。どんな体験を特別と感じるのかは人それぞれなのです。だからこそ客単価に関わらず、すべての飲食店にレジャー性は求められます。

お客がレジャー性を感じる主なポイント
□ 料理の味
□ 料理の盛りつけ
□ 外観や内装
□ 接客・スタッフとの会話

本記事のまとめ

コロナの自粛中、デリバリーを利用して、「店で食べたらもっと美味しいんだろうな」という物足りなさを感じた人も多いのではないでしょうか。美味しさは大事ですが、やはり人はお店で食べることに意義を感じているのだと思います。CDやDVDがあるのに、わざわざ音楽ライブや映画館に行く人が多いのも同じ理由でしょう。その場でしか得られない臨場感。それが、飲食店がお客に提供できる最大の魅力なのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました