仕事のムダと重複をなくして業務改善を進める

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仕事のムダと重複をなくして業務改善を進める
不要な仕事に時間を奪われないようにしよう
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はじめに

本記事では、仕事におけるムダと重複をなくし業務改善を進める方法を記します。

充分時間をかける、充分検討する、同じような意味合いに捉えられるかもしれませんが、全く異なります。仕事の無駄や重複は、この時間をかけるということが原因ではないでしょうか。

組織内の決裁業務を簡略化する

決裁業務を簡素化し、時間の短縮を図ります。定期的に情報共有の場を作り、スムーズに承認を行えるようにすることがポイントです。走りながら考え、立ち止まって決済する。それが重要な姿勢です。

 複雑な社内での承認処理を定型化する

現実には、契約書の種類や状況によっては承認者が多くなり順序が複雑になったりするケースがあるでしょう。例えば、企業全体に関わるような重要な契約や、大きな案件(金額が大きい)ともなると、部門長より上位階層の承認が必要になる、取締役会の合議を取るなどということが発生します。

これらについても承認のルート表を作成することで明らかにしておけば、業務の定型化につながります。つまり、根回しを見える化するのです。あるいはどこでも会議化とでもいうのでしょうか。

 クラウド上での承認業務を可能にする

クラウド上で承認業務を行えるように、制度を整えましょう。

決裁権者は管理職であることが多く、社内にいないことも少なくないでしょう。それに伴い、承認業務も膨大な量となっている可能性があり、業務が停滞するのみならず、熟考されないまま承認されるという問題点も挙げられます。これらを解消するためにも、ハンコ文化を見直します。

ハンコ文化を見直し、ペーパーレス化を進めます。コロナ禍でも、捺印のために在宅勤務できない。そんな状況が複数の企業で発生したのは記憶に新しいでしょう。ハンコ文化は多様な働き方に適さないほかにも、捺印日がわかりづらい、担当者以外が捺印できず業務が滞るなどのデメリットがあります。

書類をペーパーレス化するには、作成した書類の共有が必要です。チャットやクラウド、必要に応じてタブレット端末を導入して、遠隔でも決裁できる仕組みを整えましょう。また昨今は、決裁・捺印手続きができるクラウドサービスも登場しています。

□根回しを見える化して、決済スピード迅速化する
□ペーパレス化を進めて、承認業務をスピードアップする

引継書と業務報告書を兼用する

引継書と業務報告書をひとつにまとます。業務はカテゴリー、タグ、日付で管理することで、関連を紐付けしやすくなります。ポイントは、どこでも、だれもが、カンタンに使えることです。webサイトにみられるCMS機能を応用すれば、ネット上で完結させることが可能です。作成にあたっては、以下3点を心がけるようにしましょう。

流れを意識して、業務内容を伝える

業務内容を伝達する際に大事なのは、流れを明示することです。業務の全体像を理解してもらえるよう、業務を年間、月間、週間、日つけ単位のスケジュールで検索できるようにします。

業務や作業の手順も、「1.◯◯をする」「2. △△をする」……と数字を使い、順序立てた項目とします。ノウハウや留意点、職種や部門による専門用語などは別途検索できる仕組みをつくりましょう。

引継ぎは口頭でも説明される場合が多いですが、業務報告と引き継ぎ書を兼用することで、業務に深い理解が得られる、見返しながら実務にあたれる、教育になるなどのメリットもあります。

 関係者をまとめておく

各業務に関して指示を仰ぐ上長や、関係する部署・部門とその担当者は、関係がわかる部門相関図化します。

取引先も同様です。信頼関係を維持するためにも、取引先の担当者の名前やポジション、連絡先を記載。また、雑談や会食で人となり(私生活や趣味など)を把握しているのであれば、そのような内容もインプットしておきましょう。ただし、個人情報の取り扱いになる場合もあるので、その点は注意が必要です。また、記入日時はわかるようにします。古い情報は、正しいとは限りません。

トラブルの対応方法も記載

トラブルやイレギュラーな処理に対応する方法を明記しましょう。

頻発するトラブルの対処方法のみならず、思わぬイレギュラーが発生したときの相談先や担当者のリストアップも重要です。

また、過去のトラブル処理事例をまとめておくことで未然防止が期待できるほか、いざというときに迅速な対応を行えます。

□似ている業務、代変えできる業務は一つにまとめる
□業務の流れが一覧化できる記録方式を採用する
□関係者情報を集めておく(ただし個人情報の扱いに留意する)

直帰による在宅業務を制度化する(移動時間の低減)

訪問や商談の後は、直帰して在宅勤務を行うようにします。

コロナ禍でリモートワーク環境が整備されたこともあり、用事が済んで会社に戻るのは、余分な時間と労力を費やす行為だといえます。さらに、従業員が柔軟かつ効率的な働き方を実現できるだけなく、企業にとっても人件費の削減という利点があります。

直行直帰の定義を共有する

基本的には業務開始時刻に会社に居ない、または取引先へ訪問後、帰社しない場合などに直行直帰にあたると定義し、従業員にも事前に共有しておきましょう。

直行直帰の実施・連絡方法

直行直帰の実施には届出制を導入します。

急な外出でも対応できるように、チャットやメールで届出を行います。外出先、訪問理由、到着・出発時間を記入するフォーマットを作成し、あらかじめ共有しておきましょう。社員が確認できるように、同様の内容を記入するホワイトボードを社内に設置するのも有効です。

 直行直帰の連絡方法

労働時間を正確に把握するため、訪問先を到着・出発する際には必ず上長に連絡するよう定めます。

目的はあくまで労働時間の把握であるため、連絡方法はチャットやメールで問題ありません。また、クラウド型の勤怠管理システムや経費精算システムを導入すれば、社外からでも簡単に労働時間を申告することができます。

□移動時間のムダをなくす
□ホウレンソウ時間の簡潔化を図る
□勤怠管理を進化させる

週単位での労働時間制度による柔軟な対応

外出後の事務処理は翌日の朝に行いましょう。

外出や営業活動を終えた後、事務処理を行うためだけに帰社するのは、事務処理に費やす時間のほか、移動時間も余計にかかってしまいます。所定外労働時間を削減するためにも、急ぎでない事務処理は翌日の出社後に行うものと定めましょう。仕事はタスクにより週単位など、日数を決めて柔軟化するのもひとつの方法です。

勤務間インターバル制度の活用

勤務間インターバル制度とは、退勤後、出社まで一定時間を空けなければならないという制度です。生活時間や睡眠時間を確保し、長時間労働後に十分な休息を取れる環境づくりも手段の1つです。

リスト方式など事務処理削減のルールを導入

チェックリストを採用

外回りから帰社後の事務処理業務を短縮するために、チェックリストを用意します。チェックリスト方式を取れば、報告書の作成に費やす時間を減らせるのみならず、業務の漏れ防止にも役立ちます。

書類のテンプレート化

書類作成は、作業速度や品質に個人差が生じやすい業務です。品質のばらつきは自社の信用低下につながるため、統一したテンプレートを用意するとよいでしょう。1から作成する必要はなく、過去に作成されたものを選別。書面のみならず、社外へのメールにも応用できます。

会議やメールの簡素化、組織改編も必要です。それらに関しては「会議やメールのムダをなくし業務を効率化する方法:選択と集中がポイント」を参考にしてください。

評価にも品質にプラスして効率化を

効率化の取り組みに非協力的な社員の説得に有効な根拠が、費用対効果(ROI)です。ROIは投資収益率とも呼ばれる通り、効率性を計測するうえで重要な指標です。

ROIは、利益÷投資額×100で算出できます。

ROIは、業務の効率化に貢献した者への評価にも適用できます。ただし、効率化は個人ではなく組織で取り組むべきものなので、部署やチーム単位で評価するのがよいでしょう。組織業績評価指標を設定し、部署やチームのメンバーへの一時金(ボーナス)に反映させます。

慣習にとらわれない柔軟な会議にする

時間や場所に縛られないリモート会議は、まさに柔軟な会議システムといえます。ただ、いくらリモートでも会議に合わせて時間をやりくりする必要がありますし、そのしわよせで残業が発生してしまうケースもあるでしょう。

ここでは、「皆が集まらなければいけない」という会議や打ち合わせの慣習そのものも柔軟に考えることをおすすめします。例えば、部下から上がってきた報告書や資料も、喫緊のものでなければすぐにチェックしなくてもよいようにします(従来の慣習から、部下はすぐにチェックしてもらいたがると思いますが)。

時間のあるときに確認し、改善点があればまとめてフィードバックすればよいのです。仕事において即レスポンスは鉄則ですが、中には「受け取りました」の返答だけして、後回しにしてもよい業務もあります。その後回しを容認できる環境を整えることも、業務の効率化を進めるうえで重要です。

また、すべての企画書や報告書は、同じような労力、時間をかけてチェックする必要があるでしょうか。確かに詳細を検討する必要な内容もあるでしょうが、中にはアウトラインだけで済むようなこともあるはずです。テンプレートにした方が、つくるのも、確認するのもラクです。

従来の進め方を見直すポイント

□会議や打ち合わせの慣習
□報告書や資料のフィードバック
□業務の優先順位
□テンプレート化の検討
□企画書、報告書のチェックや評価の仕方

時間を置いてチェックバックする際は、何時にするかという目安を伝えるようにしましょう。そうすると相手もスケジューリングしやすくなります。

会議の増加によって、資料や企画書など社内文書の作成機会も増えるでしょう。ここでも効率化を忘れてはいけません。次の項目では、社内資料づくりの効率化を説明します。

企画書など社内資料にづくりに時間をかけない

社内資料に装飾は不要、とことんシンプルでOK

忙しい部署ほど、たくさんの資料を作成します。そこに加えて会議向けの資料をつくるとなると、部下のモチベーションにも影響が出ます。

効率化の対象となるのは、社内資料です。顧客向けの資料なら詳細なデータや洗練されたデザインなど、細部に気を配る必要がありますが、社内資料では「伝えるべきこと」さえ押さえておけば、資料としての役割は十分です。

企画内容をプレゼン形式で伝えるのか、定例会議で調査結果の概要を報告するのか、どんな用途の資料なのかによって求められる完成度は異なりますが、社内向けの資料の多くは、詳細なデータよりも一目で理解できるシンプルなもののほうが効率的なのです。

会社の制度でシンプルな資料づくりを後押し

資料づくりに時間をかける社員が減らない場合は、仕組みとして後押ししましょう。社内資料の簡素化・標準化の規格を設定したり、枚数の上限も定めます。

ただし、規定は独断的には行わず、部下から意見を吸い上げながら検討するようにしましょう。非協力的な社員がいた際は、従来の資料づくりにかかっていたコストと簡素化した場合のコストを計算し、費用対効果(ROI)の数値を根拠に説得するようにします。

おわりに

業務のスピードアップは、仕事の無駄や重複を省くことにつながり、会社を構成するヒト・モノ・カネのすべてにおいて、必要な部分にリソースを重点的に割けるようになります。従業員の働きやすさは、間接的に会社の利益にも資すると言えます。業務の棚卸を行い、不要なものの削減を検討・実施するようにしましょう。


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