会話のキャッチボールを続ける4つのコツ〜実践的な会話法の解説〜

社会人のスキルアップ
会話のスキルアップ
会話のキャッチボールは話す、聞くの繰り返し

はじめに 〜会話はノウハウではない〜

会話はノウハウではない
会話のキャッチボールは聞く、話すの繰り返し

本記事では、会話のキャッチボールを続ける4つのコツを紹介します。毎年何十人ものインタビューを10年以上続けきた筆者が、うまくいった会話のなかで気づいたことを実践的にまとめています。会話のキャッチボールはノウハウではなく、相手への関心のベクトルをどこに向けるかがポイントです。

会話のキャッチボールにならない状況とは?

まず前提として、会話のキャッチボールができないとはどんな状況か考えてみましょう。次の9つの項目です。どれかあなたにあてはまるでしょうか?

  • 相手の話を聞かず別のことを考える
  • 相手が一方的に話す
  • 相手が困るような質問をする
  • 相手との会話のレベルが合わない
  • 相手が理解できない表現を使う
  • 相手の発言を完全に否定する
  • 相手にとって歪曲的な表現で意図が伝わらない
  • 話題があちこちに飛ぶ、脈絡なく変わる
  • 言語的に通じない

もし、あなたが会話のキャッチボールができないと悩んでいても、上記のような理由が相手にあるなら、あなたが会話のキャッチボールができないと悩む必要はないかもしれません。会話のキャッチボールが続かない原因があなたにあるとは限らないからです。

会話のキャッチボールはノウハウではなく聞くスキルと話すスキルを使う

会話のキャッチボールは聞く、話すの繰り返しです。つまり、会話のキャッチボールには、聞くスキルと話すスキルの二つを上手に組み合わせて使うことがポイントです。

話すことばかり気をとられていると、聞くことがおろそかになりますし、その逆も同じです。

難しいと感じる話し方や会話にこだわる必要はない

今、ネット上や本などでは、話し方や会話の情報が多く見られます。でも、それを行うのは、なかなか難しいのではないかと筆者は感じています。

「会話のスキルを身につけるために、別のスキルが必要になる。そんなイメージです。例えば、以下のような手法です。

●タイプ分析・・・相手のタイプを分析して、それに合わせて話をする(自分目線になりがち)
●あいずち、うなづき・・・「すごいね」「なるほど」などの合いの手(無理なつっこみ?)
●おうむ返し・・・相手の言った言葉を繰り返して同調する(会話が続かない?)

分析や思い込みで会話を進めない

実のところ、相手を分析しすぎると、このタイプの人には「聞いてはいけないかな?」「聞いたら失礼かな?」など、余計な思考が働きます。

筆者がある新進気鋭のカメラマンをインタビューした時のことです。事前に、担当ディレクターから「この人の写真には迷いがない」「挫折なしにここまで来た」と聞いていました。

筆者は「それはないだろう」と思い、迷いや挫折のことを普通に聞いてみました。すると、面白い話がどんどん出てきたのです。タイプ分析をすると、その方向で固定されてしまいます。それは、普段の会話でも同じです。

あいづちやうなずきは自然なタイミングで

あいずちやうなずきもほどほどにすべきでしょう。編集の現場では、インタビュアーの他に、編集者やディレクターが同席します。企画によっては、クライアント(スポンサー)、代理店の営業マンなど、さまざまな人が来る場合もあります。

そうした状況下で、筆者がインタビューをしていると「すごいですねー」「そうなんですねー」とこれみよがしに相槌をいれる人がいます。ときには、話し手が白けてしまって、空気がひんやりすることがあるのです。あいづちが話の腰を折ってしまうケースです。

おうむ返しは、カウンセリング手法(臨床心理学者カール・ロジャーズ)の「伝え返すこと」が重要です。これは、相手が気づきを得るまで、聞き役に徹する手法ともいえるので、単純なおうむ返しとは異なります。自分の言ったことを反復して聞くことで、自己への理解を深めることを目的とします。

コツ1 相手の好きなことで会話を始める

会話は聞きたいこと
会話を通じて相手への興味を高める

実のところ、会話のキャッチボールといっても、相手に話しをさせるのは、いつも思い通りに上手くいくものではありません。これは、知らず知らずのうちに「面白い話を聞きたい」「普通の話はいらない」など、ある種のフィルターがかかっているからです。話す側が上から目線なら「面白い話にしてやろう」「退屈させたくない」ということでしょう。

これで会話が弾む(と勘違いする)のは、相手が後輩や立場が下の人の場合だけです。しかし、話した後「面倒くさい先輩」や「疲れる上司」と思われることでしょう。

自分が聞きたいことでなく、相手が話しやすいこと

一般的にも、好ましい相手や尊敬するような人でない限り、なかなか相手のことを聞きたいと思わないものです。そういうときは「相手の好きなことを話させる」というインタビュー手法が役立ちます。

例えば、趣味の話をしたとしましょう。相手が推理小説好きだった場合、好きな作者は誰? どんなストーリーが好き、他にどんな小説を書いているの? どこが面白いの? などと、相手が好きなことに関連する話題で質問を深めたり、広げたりするのです。

筆者が聞き手の時、頭の中では映画の予告編のような映像をイメージします。会話で映画の予告編とはおかしな話です。例えば、初めての相手と会話するときに、その人から小説家の名前を聞いた時に「特報!」「作家 夏目漱石」などの映像を浮かべる感じにします。すると「どんな作家ですか?」と自然に言葉が出てくるのです。

相手の共感のツボを押してあげる

そこで相手がその作品をべた褒めしたら、その作品や作家を褒める意味で「すごいですね!」を使います。本人に対して「すごいですね!」を使うと「よいしょ」していると受け止められるかもしれませんが、本人が好きな作家を褒めたり、同意したりすれば、相手も心地よくなってくれます。直接ではなく、間接的に褒めることになるからでしょう。

「でも、他人の自慢話は苦手」そう感じる人もいるでしょう。苦手と思うのは、実はもったいない話です。人には、それぞれ価値観、考え方があり、それらは自分にはないものです。人が関心を持っていることを聞くことは、自分の世界を広げることになり、どこかで役立ちます。長い時間で考えると、人の話を聞くことは自分にとって得になります。

コツ2 会話はHowではなくWhyが大事

会話はwhyで聞く
会話の質問は大事。でも突っ込みすぎないように

会話のキャッチボールは、自然に内容を深めるがコツ。話題をあちこち飛ばさないようにしましょう。極端な例ですが、以下のようなケースです。

延々と新しい話題の質問を投げてはいけない

「最近、どこか旅行に行きましたか?」
「東北です」
「よく旅行にいくのですか?」
「年1回くらいです」
「普段は、どんなところ遊んでいますか?」
「家でゴロゴロすることが多いですね」

ひとつの質問でひとつの答えです。このパターンだと、延々と次の質問を考えねばなりません。聞かれている方も「いったいこの人は何が知りたいんだ」と訝しがり、逆に心を閉じてしまいます。会話は、お互いに心の窓を開け、共感することがポイントです。

会話を深めるWhyで共感できる話題に行き着く

下の例えは、短いフレーズの連発ですが、聞き上手になるには、関連する質問をなげかけます。するとどんどん会話が深まります。

「最近、どこか旅行に行きましたか?」
「東北です」
「東北のどこにいかれたのですか?」
「青森です」
「なぜ、そこを選ばれたのですが?」
「奥入瀬渓流に行きたかったからです」

そのうち、温泉の話になったり、料理の話になったり、会話が進行します。こういう会話が続くと、自分も行ってみたいという気になることが往々にしてあります。なぜ(WHY)を深めるのが大事です。その中で、自分と関わりのあることがあれば、素直に話せばいいのです。

コツ3 マウントしない、会話は討論会ではない

会話ではマウントしない
会話では無意識に相手を不快にさせることがある

会話のキャッチボールでは、相手を批判したり、マウントするようなことは、避けましょう。これは、意図しなくても相手がそう感じる場合もあるので、よくよく注意します。

余計なテーマまで話を広げすぎない

先日、知り合いが吹き出物の治療で皮膚科に行った際、ドクターからストレスが原因だから精神科の治療を受けるようにと言われました。それを聞いた私は「何の検査もしないで、いきなり精神科を紹介するのはおかしい」と切り出してから、昨今の医療事情、いいドクターの見分け方まで話してしまいました。

こちらは、特にマウントする意図はなく、相手のことを思って話したのですが、機嫌が悪くなってしまいました。本人は、それほど、症状のことを気にしておらす単純に同情して欲しかっただけだったのだと思います。

単なる自慢話になっていないか考える

誰でも、否定されたり、マウントされたりするのは好みません。会話が上手くできていないと感じるなら、意図せず自慢話になっていないか考えてみましょう。会話は討論会ではないので、その点は注意しましょう。また、余計なことを話してしまったと思ったら、素直に謝ることも大切です。

コツ4 会話では、共通点より違う点を探す

会話で相手との相違点を知る
会話から自分にない世界を知る

会話のキャッチボールのコツとして共通点をみつけよう!というのをよく見かけます。共通点を見つけると話が盛り上がるのは、実は、両方が共感している時です。少し仲良くなった時に、意外な共通点があることを知ると、とても距離が近づいた気になれます。

自分の知らない世界だから興味を持つ

しかし、共通点探しと共感するのは別の話です。むしろ、会話の中で、事細かに共通点を探そうとすると、意味のない質問を連発することにもなりかねません。

自分とは違うポイントで興味を持った方が、話は広がります。あまりに共通点探しをすると相手もそれに気づき、不信感を持つことだってあります。

本記事のまとめ

相手を退屈させないというのは、裏を返せば、自分も退屈しないということです。自分が会話をして楽しめる範囲を意識し、自分が知らない、興味がないことこそ掘り下げることが大切。テクニックに走ることなく、素直な気持ちで、会話することが、結局退屈な会話を避けることにつながります。

● 会話は相手の好きなことで始める
● 会話はHowではなくWhyが大事
● 会話と論争は違う
● 共通点ではなく、相違点を探す

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