「年収1000万を超える人の共通点」が「素直さ」にあるワケ〜ヒューマンスキルの真骨頂を学ぶ〜

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金持ちのイメージ

長年、取材をしているといろいろな人間模様を垣間見る。その中でも興味深いのが、一見すると同じようなヒューマンスキルであっても、その使い方で大きな差がでることだ。

楽しみワークス編集室で仕事をしている私は、以前は求人を含めた情報誌の編集経験もあり、求職側と求人側の二つの側面からこれらを見ることができた。そこで、今回は年収1000万越えのヒューマンスキルという視点で記事を書く。

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ヒューマンスキルとは

ヒューマンスキルとは、人とのコミュニケーションや関係構築に必要なスキルのこと。わかりやすく解説すると、次のようなスキルが含まれる。

1.コミュニケーションスキル

  • 相手の話を傾聴し、的確に質問する力
  • 自分の考えを論理的に伝える力

2.対人関係スキル

  • 信頼関係を築く力
  • 相手の立場を理解する共感力

3.リーダーシップスキル

  • チームをまとめる力
  • 目標達成のために動機づける力

4.交渉スキル

  • 相手のニーズを汲み取る力
  • 双方がメリットを感じる解決策を見出す力

このように、ヒューマンスキルとは、対人場面で必要とされる総合的なスキルを指す。こうしたスキルを磨くことで、円滑なコミュニケーションが可能になり、仕事のパフォーマンス向上やキャリアアップにもつながる。

ヒューマンスキルの本質は人たらしではないか?

最初に今回のモデルケースであるR氏とU氏の現在の状況について触れよう。

R氏は、全国の主要都市に支店を持つ某企業で役員を務め、企業の実質No.2で年収1500万を超える。家族は妻と子供1人。U氏は、地方都市にある不動産系企業の営業マンとして最前線で仕事をしており、コミッションに左右されるものの500-800万円程度の年収はキープしている。家族は妻と子供三人(離婚歴あり)。

二人を取り上げたのは、どちらもかなり高いヒューマンスキル持っているからだ。第三者からみれば、コミュニケーション能力に長けた人物といえるだろう。

二人とも友人が多く、いつも賑やかな環境を好み、年齢の上下や男女を問わず、どんな人でも上手く相手の懐に飛び込む。多くの人に愛され、失敗してもひいき目にみられる。まさに「人たらし」と呼ぶべき人物でもある。

では、なぜ、あえて人たらしという言葉を使うのか。ヒューマンスキルといえばよいかもしれないが、いわゆるビジネス本や心理学の本で述べられているような良識的なヒューマンスキルではないからだ。

ヒューマンスキルは他者との良好な人間関係を構築し、円滑なコミュニケーションを可能とするスキルのことで、米国の経営学者R. カッツが提唱した。その中身はネゴシエーション力、プレゼンテーション力、ヒアリング力、リーダーシップなどがあげられる。

そういう観点からみると、残念ながら二人は「?」なのである。

教科書的なヒューマンスキルは不要

二人とも50代という年齢ではあるが、共通して字ヘタである。ビジネスではPCで文章を作成するので字ヘタは関係ない、そう思われるかもしれない。

しかし、二人の字ヘタは、ITアイテムのアドバンテージを見事に駆逐する。

例えばパワーポイントで作成した企画書でさえ、一見して、字ヘタが伝わってくるレベルなのだ。打ち込みに不慣れというのではなく「ああ、この人はそもそも字ヘタなんだ」と、納得と得心が自然と心に浮かぶレベルといえよう。

では、資料の読み込みがうまいかといえば、そうではない。R氏は、出された企画書には目を通すが、ほぼ全てパラパラめくりで終わる。提案者が数週間かけて調査し作成したような分厚い企画でもそれは変わらず、質疑応答でも理解しているのか、していないかわからない質問を投げかける。一般的には「思いつき」「その場限り」といわれる現象に近い。

U氏は、サラリーマンではあるが、不動産会社の一匹オオカミ的な営業なので、いわずもがなだ。新築住宅など、新しい資料は読まずとも、長年の営業から最低限の知識だけで、客を丸め込むのが上手い。もっとも若い時に客から家庭用エレベーターの動力を聞かれた時に「油ですわ」と即答して、相手の目を白黒させた経験がある。油圧式を油と表現する個性は今も健在だろう。

聞き上手かというとそれにも当てはまらない。また、R氏は、ほぼ、人の話を聞かない。こちらが、意見を言ってもほぼスルーする。「へえー。そうなんすか。でね・・・」と自分の言いたいことを話すばかりだ。

U氏はまだ、幾分かR氏よりはマシである。いや、むしろ上手いかもしれない。ビジネスシーンであっても明石家さんまのノリツッコミで怒涛のごとく、話を進めるからだ。確かに話をしていて退屈はしない。しかし、あとでどっと疲れた感がしてならないのだ。

好きなことができれば、年収はさほど関係ない、といえるかもしれない。それでは、比較にならないので、R氏とU氏の何が違うのかという点を解説しよう。

同じようなヒューマンスキルを持ちながら何が違っていたのか?

それは、人の話を素直に受け入れてその通り実践するかどうかの差だ。

R氏は、とても素直な性格で、上司を信じて、そのやり方を徹底して踏襲する。疑う余地はないとばかりにやり抜くのだ。

R氏の逸話として以前こんな話を聞いたことがある。ある日、R氏は、上司から「◯◯グループの子会社のすべての社長と名刺交換しろ」という命令を受けた。◯◯グループは大手企業なので子会社といっても数十社になる。

R氏はすでにいくつかのグループ会社の社長と名刺交換をしていたので、そのつてを辿り、なんとか目標を達成したのだ。後にそのパイプのいくつかは仕事に活かされたと聞く。

一方U氏は、R氏と同じような素直な部分があるものの、なぜか我流の方法をとってしまう。

話し上手なU氏は、転職当初から営業に関しては、かなり期待されていた。それが、よくない自信にもなっていたのかもしれない。先輩と取引先へ同行した際に、ついつい、余計なことを話してしまうのだ。

先輩のやり方を否定したり、目標以外のことに力を入れてしまったり。結局、話し上手ではなく単なるお調子者との烙印を押された。

成功者の原則は正しいことを繰り返し行う

孔子の弟子で顔回という人物がいた。弟子の中でももっとも優れた人物といわれていたが、孔子より早くに亡くなった。そのときに孔子は大いに嘆き「天はわれをほろぼせり」と言ったそう。なぜ、顔回が優れていたかというと、孔子の教えに忠実で、それを余すところなく実践していたからと伝わる。

 NHKの大河ドラマで渋沢栄一が取り上げられた。彼の著書を読むとその行動や考え方の源には孔子の論語があることがうかがい知れる。信じ切る基準があることは、とても強いのだろう。

個性の時代と言われるが、ヒューマンスキルにおいては、我流は遠回りになることもある。R氏は素直に上司が命じた目標に向けて行動をしたが、そのままではなかった。名刺交換をするためにさまざまな工夫をしている。ポイントを押さえる、工夫すべき点を見極めるということも大事だと言えよう。

渋沢栄一も確かに論語を読み、内容を実践したと伝わるが、それだけではなかったそうだ。論語が生まれた背景を考え、それを当時の時代にあてはめて解釈したと聞く。

ビジネスの世界は、まずは真似して実践する

ビジネスの世界で上司から言われたことを素直に実践するのは、ふたつの意味がある。ひとつは、その方法で成功したことが過去にあること。もうひとつは、やり方を緻密に実践すると、失敗しても検証できることにある。簡単にいうと基準のあるなしなのだ。個性の時代といわれるが、我流は遠回りになることが、実は多い。

また、R氏は素直に目標に向けて行動をしたが、名刺交換をするためにさまざまな工夫もしていた(名刺交換の技については別のコンテンツで展開する)。ポイントを押さえる、工夫すべき点を見極めるということが大事なのだろう。

U氏はある意味、自分の直感に素直に動くタイプだ。業界の特性もあるだろうが、10年ほど前までは、会うたびに会社が違っていた。同じ業界ではあるのだが、転職回数が片手では収まらない。最初に勤めた先は大手で、その後は中堅どころから地方都市の不動産会社へと都落ちのような、経歴を辿る。しかし、同じ業界なので、前職の知識や人脈はそのままスライドできる。良くいえば様々なノウハウの吸収してきた。

変な話であるが、中小企業から大手企業に移るには、それなりにハードルが高い。しかし、その逆は、むしろハードルは低くなる。U氏についていえば、転職中(変な言い方だが)に中堅から大手に一時行っていた時期もあるが、就職できたのは若さと素直さが武器だったのではないだろうか。

まとめ〜素直な心で実践するのは、自然な流れ〜

人の助言であれ、自分の考えであれ、素直に動くことが、いかに強いものであるのか。「人たらし」というヒューマンスキルの本質は、実は、自己開放にあるのではないかと思う。人もいえば、自然界の一員であるものの、天然、自然体のままで社会を乗り切るのは難しい。どうしても先例や習慣を意識してしまうからだ。そうでない部分、つまり素直な心で自己表現できる人物を、人は受け入れてしまうのかもしれない。

そういう意味では、自然体でいることのできる環境はとても重要だろう。R氏のように尊敬できる先輩が会社にいればよし、なければU氏のように「天職場」のような場所を探すのもよしではないだろうか。

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