空の道をつくる、ディスパッチャーを目指そう

資格でスキルアップ
ディスパッチャーを目指そう

はじめに ディスパッチャーは地上のキャプテン

本原稿ではディスパッチャーの資格取得、仕事、就職に関する情報をまとめています。専門学校や大学の進路選択、または大学生の就活、第二新卒でキャリア変更を考えている方向けに入門編として書いています。

航空機が無事に空を飛べるように、フライトプランを作る。それが、ディスパッチャーの仕事です。天候や飛行機のコンディションなどのさまざまな情報を把握し、安全で効率のよい飛行コースや高度の計画を作成します。

日々、人や物を乗せて空をわたる、現代社会になくてはならぬ乗り物、飛行機。そのフライトの背景には、ディスパッチャーという陰の立役者がいるのです。

そもそもディスパッチャーとは?

安全な飛行計画を作るディスパッチャー
フライトプランを作成するのが主な仕事

ディスパッチャーとは、広い意味で運行管理者のことを指し、決して航空業界だけの用語ではありません。他業種との混同をさけるためフライトディスパッチャー(Flight dispatcher)の方が業務内容が明確になるのでわかりやすいといえます。

しかし、インターネットの職種検索で調べると、ディスパッチャーが航空業界の職種としてさまざまなサイトで表現されています。ほぼ、ディスパッチャー=航空機運航管理者と考えていいでしょう。

実は、ディスパッチャー(航空機運航管理者)は旅客や貨物輸送を担う航空会社には、配置しなければならないと法律で定められています。それだけ責任者として重責ある職種といえます。

旅客機や貨物機等の航空運送事業の航空機においては、機体の大きさや航続距離の長大さなどからディスパッチャーが作成するよう義務付けられている。

出典:wiki

安全な飛行計画を作るディスパッチャー

ディスパッチャーの業務は大きく分けて2つあります。ひとつは安全なフライトプランを作る飛行計画の立案、もうひとつは離陸後の航空機を監視する飛行監視です。

飛行計画では、1便ごとに、離着陸の地点や気象の状況、機体の状態、乗客や貨物の重量、非常時の代替空港の手配、さらに自衛隊の訓練状況など、あらゆる情報を総合的に分析してフライトプランを作成します。そして離陸後、航空機が目的地に着くまで、燃料や飛行の状態を監視します。

安全な飛行を担う仕事内容から、ディスパッチャーは「地上のパイロット」「地上のキャプテン」などと呼ばれています。

勤務経験と国家試験、社内審査を経てディスパッチャーになれる?

ディスパッチャーの試験
ディスパッチャーの試験は実務の経験が必要

航空業界のディスパッチャーとは、学科試験と実技試験からなる国家試験の運航管理者の合格者を指します。

運航管理者になるには、航空会社の運航管理部門あるいは運航管理が専門の関連会社に就職し、オペレーションコントロールセンター(運航管理室)などで定められた年数以上の実務を経験することが条件となっています。
※技能検定の要件(航空法第78条第3項)運航管理者技能検定は、国土交通省令で定める年齢及び航空機の運航に関する経験を有する者でなければ受けることができません。出典:国土交通省ホームページ

国家試験に通れば、晴れてディスパッチャーになれるといいたいところですが、そう簡単いかないケースがあります。勤務している企業によっては、国家試験合格後も、さらに数年間の運航業務を経てから、社内審査を通り、ようやくディスパッチャーとして認める企業があるからです。JALのような大企業では社内試験の方が難しいと記述されています。

ディスパッチャーって大手の航空会社に限定されているの?

ディスパッチャーについて、多くのネット情報では運航管理者の合格者で、しかも航空会社の社内試験に合格した者とされていますが、それは誤解を生む表現です。航空特殊無線技士航空無線通信士などの有資格者で、なおかつ経験があれば勤務先の企業により運行管理の業務に就くことができるからです。

ディスパッチャーに向いている人は客観的に状況把握できる人

さまざまな情報を分析する洞察力や、イレギュラーな状況でも冷静に対応できる判断力、運航全体を管理するためのマネジメント能力が、ディスパッチャーには必要とされます。

そして何より、人の話を聞く力が大切です。無線越しのパイロットや周りのスタッフとしっかりコミュニケーションを取ることで客観的な視点を保ち、最適な飛行計画を作ることができるからです。外国人とのコミュニケーションも必要なケースがあるので語学力も必要です。

ディスパッチャーの収入や勤務体系は?

夜の管制塔
国際空港では24時間のシフト勤務になる

ディスパッチャーは専門職といえる職種です。しかしフリーランスは難しく、航空会社に勤務することが一般的で、収入は航空会社の規定に準じます。ただ、派遣社員、時給での勤務体系もあります。indeedの採用情報を調べると給料は会社や業務内容によって差のあることがわかります。以下のデータを例として掲載します(2021年8月調査)。日本航空の平均年収は有価証券報告書からの引用です。

航空サービス企業で運航管理職(ディスパッチャー)・・・年収 300万 ~ 400万円
仕事内容は、ドクターヘリや小型ジェット機の安全な運航を確保するため、航空機乗組員に適切な情報を提供し、管理者(ディスパッチャー)として必要な指示を出すことです。勤務時間は、9時〜18時ですが、始業の繰り上げ、終業の繰り下げがあります。

■航空関連新卒採用・・・月給17.5〜20.5万円
ディスパッチャーという募集文言はありませんが、旅客便運航管理という職種があることからディスパッチャーの経験は積むことができます。勤務体系は24時間のシフト勤務となっています。

■運行管理職・・・年収350~550万円
仕事内容は自社航空機の運航管理業務、ドクターヘリのCSなどとあります。勤務時間は9時〜18時となっています。

■日本航空・・・平均年収678.4万円(地上社員の平均年収488.3万円)
航空会社の大手である日本航空の2021年3月期の有価証券報告書従業員の状況)をみると平均給与は、2021年3月31日現在の額として6,784(千円)が記されています。平均年齢(歳)39.2、平均勤続年数(年)14.5です。平均年収に関しては、地上社員は4,883(千円)、運航乗務員17,695(千円)、客室乗務員3,769(千円)となっています。ただし、この金額は国内雇用社員と海外雇用社員の平均です。

ディスパッチャーを目指すには?

ディスパッチャーになるための最初のステップは、航空会社への就職です。採用に関しては難関とされている企業が多く、ディスパッチャーの希望者は専門学校や大学へ入学する前から航空会社に照準を合わせている人が少なくありません。

聞き慣れない仕事なので、客室乗務員やパイロットに憧れて航空業界を調べているうちにディスパッチャーのことを知って目指す人もいますし、気象や通信を専門に学んだ人が、チャレンジする場合もあります。

学校選びでは、専門学校にしても、大学にしても実際に航空会社へ就職した卒業生がいる学校を選ぶのが第一の選択肢です。イメージだけでなく、実績で学校を選ぶようにしましょう。試験の傾向や対策などの情報を持っている可能性が高いためです。

専門学校は、基本的に資格取得と就職先を十分にチェックしましょう。グランドスタッフ、管制官などの業務の有無、さたには航空無線通信士など、関連の資格取得が目指せる学校がベスト。学校によっては客室乗務員に強い、グランドスタッフに強いなど、特色がありますので会社名だけでなく、採用されている職種まで調べましょう。

大学の場合は、運航管理者技能検定の取得を視野に航法や法規、気象、工学、通信などの専攻が考えられます。航空従事者等学科試験解答及び過去問を参考にするのも方法です。ただし、4年間という学びは長いので、広い視野で選択することが大事です。

また語学力は高いレベル(TOEICスコアなど)が求められますので、今からNOVA LIVE STATION☆彡で学ぶなど、英語力を伸ばすことも就職成功の自信につながります。英語はどんな業界でも活かせます。

おわりに

ディスパッチャーの仕事概要や資格取得、給料、航空会社への就職に関する情報などについてまとめました。最近では、ドローンの運行管理など、見方を変えれば、ディスパッチャーという仕事の幅も広がっているようです。ディパッチャーの仕事を目指し、その仕事の先を考えるものありではないでしょうか。

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