コピーライターになるには。ある就職氷河期世代の異業種・未経験者の就職方法

コピーライターになるには
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はじめに

 ほんの数文字か数行の言葉で人の心をパッとつかんで、商品や企業の好感度をアップさせて、強烈に記憶してもらう広告やCMを考えるコピーライター。

 そんなコピーライターの職業に就くためには、一体どうすればいいのでしょう?

 ここでは僕の体験をもとに紹介していこうと思います。

コピーライターになる4つの方法

コピーライターになる4つの方法
コピーライターになるにはいくつかの方法がある

 もし、これを読んでいるあなたが大学生の場合、コピーライターになる方法は次の2つが考えられます。

(1)新卒で広告会社(広告代理店または広告制作会社)に就職する。

(2)新卒で大きな企業に就職して、宣伝部に所属する。

 この2つのどちらかが成功すれば、コピーライターになれるチャンスは、必ずやってきます。新入社員研修を経て、先輩や上司に可愛がられたり叱られたりしていくうちに、おのずとコピーライターになる道はひらかれることでしょう。就活、がんばってくださいね。

 しかし、この2つのどちらにも当てはまらない人、新卒でない人は、どうすればいいのか…? その場合は、とにかく広告業界に足を突っ込むことです。その最短方法としてあげられるのが、次の2つです。

      (3)コピーライター養成講座にしっかり通う。

      (4)いきなりフリーランスとしてデビューする。

 いきなりフリーランスとしてデビューする人は、ごくごくまれなパターンでしょう。たしかにコピーライターという職業は、べつに資格があるワケじゃない。「コピーライター」と書かれた名刺をつくってしまえば、今日からすぐにでもなれてしまう職業です。でも、それは現実的じゃないし、無謀すぎますよね。そう考える人には、コピーライター養成講座にしっかり通って広告業界の基礎知識を身につけて転職することをおすすめします。現に僕がそうでした。

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なにも知らない中小企業メーカーの社員時代

なにも知らない中小企業メーカーの社員時代
異業種からコピーライターになることは可能だ

コピーライターとは無関係の異業種に勤務。

 ここで、ちょっと僕のことについて知ってください。

 僕は就職氷河期の世代です。「ロスト・ジェネレーション世代」…いわゆる「ロスジェネ世代」ともよばれています。半年ほど大学を就職留年した末に、やむなく産業ロボットを製造・販売している中小企業の精密機器メーカーに入社しました。その会社での僕の仕事は、ロボットの部品を調達することでした。町工場の職人さんに部品の図面を見せて「こいつを1週間後までに10,000個つくってくれますか」と頼んだり、商社さんに「海外のこのモーターを売ってくれ」と注文したりしていたのです。まだインターネットがまったく普及していない時代。そういったやりとりは、すべて電話するか会って話すかして業務をおこなっていました。

「マニュアルをつくれ」という社命。

 ある日のこと。平社員の僕は社長室に呼ばれました。べつに悪いことなどした覚えはないのに。

 部屋に入るとダブルのスーツ姿の社長、そして僕と同じ作業服姿の役員連中がズラリ。常務がにこやかな表情でまず口火を切りました。

「おー淺野クン。ちょっとキミに頼みたいことがあるんや」

「な…何でしょう」

 直立不動で緊張している僕などお構いなしに、常務はつづけて言いました。

「うちのロボットの製造マニュアル。キミ、つくってくれへんか」

「へっ?」

 声が裏返りました。この人は何を言っているんだろう。

「淺野クン。キミ、たしか国立の大学の出身だったよね」

 社長が割って入ってきました。

「はい…」

 呆然として覇気のない返事しかできない。しかし社長はつづけます。

「淺野クンは、ISO9001って聞いたことあるか?」

「あ、はい…。新聞で読んだことはあります。たしか品質に関係するんですよね」

 ウンウンとうなずきながら社長が笑みを浮かべます。

「そう! そのISO9001を、うちも取ろうと思っているんだ!」

「はぁ…」

 ここまで読んで何のことかサッパリという人のために説明しますね。

 まず、ISO9001のISOとは「国際標準化機構」の英語を略したものです。そして、9001という数字はその機構が定める品質規格のこと。早い話が、「おたくのつくる製品はつねに品質が一定していてスバラシイですね」とエライさんから太鼓判を押してもらえることと思っていいです。1990年~2000年にかけて、日本の中小企業のあいだではISO9001を取得しようというブームがあったのです。つまり、そのブームに僕の会社も乗っかろうということでした。

 そのISO9001を取得する条件に、企業は製造マニュアルをちゃんと編集して持っていなければならないという決まりがありました。そのマニュアルを見れば、熟練工がつくっても、パートのおばちゃんがつくっても、アルバイトの学生さんがつくっても、一定の高い品質を保った製品ができあがるしくみになっている。

 で、そのマニュアルづくりに、なぜか僕が任命されたのです。ただ単に国立大学出身だという理由で――。

ムズカシすぎずに、カンタンすぎずに。

 とにもかくにも製造マニュアルの編集がはじまったワケですけど、その作業は意外にも難航しました。というのも、産業ロボットを組み立てる工程は、専門用語が多くてムズカシすぎる。だから業界の専門用語のことをよく知らないパートのおばちゃんやアルバイトの学生さんでもわかる言葉に置きかえて、かみ砕いた文章にしたのです。ところがそのマニュアルは、熟練工のおっちゃんたちから大きな反発を食らいました。「お前、俺たちをナメてるのか」と。そこで、そのおっちゃんたち用に専門用語をちょくちょく混ぜるようにしました。すると今度はパートのおばちゃんたちから苦情が殺到したのです。「兄ちゃん、これどういう意味? わからん」と。おっちゃんとおばちゃんの間を何度も何度も往復しながら、両者が折り合う言葉のチョイスに、相当な時間と労力を費やしました。

自分の書いた言葉で伝えるって、おもしろい。

 そうして製造マニュアルを完成させて、僕の会社は何とかISO9001の認証を取得することができました。これで晴れて万々歳。やっとこの編集から解放されると思ったとき、同時に心の隅でこう思っていました。「タイヘンな作業だったけど、とても達成感のある仕事だな…。もし、こんなことをナリワイとする仕事があったら、そっち方面に転職したほうが向いているかも…」

 自分の書いた文章で人に何かを伝える喜びに、目覚めた瞬間でもありました。

宣伝会議コピーライター養成講座との出逢い

宣伝会議コピーライター
コピーライターを目指す人の第一歩になるのが宣伝会議の養成講座

ん? コピーライターって何?

 それは本当に、たまたま手にしたときのことでした。仕事が終わって帰宅する途中、何気なくフラッと入ったコンビニの雑誌コーナーで、就職情報誌の立ち読みをしたのです。その情報誌の特集に、宣伝会議という出版社が主催するコピーライター養成講座なるものが紹介されていました。正確なタイトルは忘れたけれど、『あなたのコトバで人が動く』とか何とかということが書かれていたと思います。そのタイトルに妙に惹かれて僕は「コピーライターって何だろう…? よくわからないけどモノを書くことが仕事なのはたしかだな。ちょっとのぞいてみようかな」と思ったのです。そして気づいたら、受講料を払い終わって翌月から始まる開講式の講義を受ける準備を済ませていました。

ヤバい、飲み会のお酒がおいしくない。

 ほとんど「冷やかし」に近い状態で宣伝会議のコピーライター養成講座にのぞんだ初日、僕はすぐに自分の行動が浅はかだったことに気づきました。

 僕はド近眼なので講座の会場の最前列に座りました。あとで知ったことなのですが、宣伝会議コピーライター養成講座の会場の最前列というのは、広告業界への就職に命をかけている学生さんや「絶対コピーライターになってやる!」と意気込んでいる転職活動組の人たちが埋まっている絶対領域。その熱気というか闘志というか、そういうものに囲まれてしまったワケです。

 僕は「うわぁ、こりゃ僕がいる雰囲気じゃないな」とあせりました。

 それから、その講義後に開かれた飲み会は、僕にとっては最悪でした。みんな誰それの書いたコピーはいいだの、あのコピーライターはステキだの、それぞれが自分の持っている広告知識をひけらかしあって盛りあがっている。僕はその輪に溶けこめない。

 こんなのが半年もつづくのか…とヘコんでいたら、飲んでいるお酒がマズく感じてきました。

 そして、だんだん酔いがまわってきた僕は「このままじゃイカン!」とあることを思い立ったのでした。

コピー年鑑を全巻そろえて読破・写経する。

 講義後の飲み会で、もうマズいお酒は飲みたくない。その一心だけでした。

 幸い、僕の住んでいる京都は「学生の街」とよばれるだけあって古本屋がいっぱいある。そこをいろいろ歩きまわって、東京コピーライターズクラブが毎年出しているコピー年鑑を第1巻の1963年版から最新版までの全巻を安い値段で買いそろえることができました。

 それだけにとどまらず、コピーライターや広告に関係する古本なら、とにかく何でもかんでも買いこんでは読みあさる。付せんを貼ってメモしたり、蛍光ペンでラインを引いたりしながら、読んで、読んで、読みまくる。コピー年鑑の「写経」もせっせとしました。新聞広告の切り抜き作業もしましたね。定期購読していた新聞の気になった広告を収集して、ボディコピーの「写経」も欠かさずしていました。

 その成果はすぐに現れて、受講生120人のなかの成績上位10人だけに与えられる「金の鉛筆」は毎回いつも必ず複数もらっていて、その期の宣伝会議コピーライター養成講座をぶっちぎりのトップの成績で修了することができたのです。

 講義後の飲み会のお酒は、いつしかみんなでワイワイ盛りあがって楽しめる、おいしいものに変わっていました。

眞木隼さんのひと言で、事態が急変。

 僕が受講した宣伝会議コピーライター養成講座の修了式には、『でっかいどお。北海道』や、『あんたも発展途上人。』、『恋を何年、休んでますか。』など数々の名コピーを生み出した眞木準さんが特別講師としてやってきました。講義の内容はほとんど忘れてしまったけれど、そのあとの飲み会の出来事のほうが、僕にとっては強烈な記憶として残っています。

 飲み会の席で眞木さんは、おもむろに言いました。

「ところで、今期の受講生のなかで、いちばん多く金の鉛筆をもらったのは誰?」

 みんな黙って視線だけを僕にザッと向ける。それを察して僕は手を小さくあげました。

「あ、はい…僕です」

 すると眞木さんはたずねてきました。

「何本とったの?」

「20本以上かな…。スイマセン、ちゃんと数えてなくて」

「20本以上! スゴい! キミはプロかい? どこの代理店? それとも制作会社?」

 僕は顔をブンブン左右に振ってあわてて否定しました。

「いえいえ、全然プロじゃないです! 僕、広告業界じゃない中小企業の人間なんです」

 眞木さんは首をかしげながらつづけます。

「えーと、じゃあ、その会社の宣伝部とか?」

「いえ、そんな部署ありません。僕、産業ロボットの部品調達をしているんです」

「えっ、何それ!?」

 目をキラキラさせながらたずねてくる眞木さん。好奇心いっぱいに僕の素性を確かめにきてくるので、僕はそれにひとつひとつゆっくり答えていきました。町工場の職人さんと交渉したり商社の人に電話したりしています…と。そして、コピー年鑑を全巻そろえて読破・写経していることも、コピーの「コ」の字がつく古本はだいたい買いあさって読みつくしたことも告げました。

 ひとしきり僕の説明が終わると、眞木さんはグッと身を乗りだして僕に語りかけました。

「淺野クンさ、もったいないよ。プロになりなよ。絶対コピーライターに向いているから」

 僕は頭をかきながら答えました。

「いや…でも、僕は広告業界にコネもツテもないし、どうしたらコピーライターになれるのか、正直わからないんですよね」

 すると眞木さんは僕から視線をはずしてキョロキョロしました。

「おい、ちょっと宣伝会議の人いる?」

 すると宣伝会議の取締役員っぽい人がやってきて、眞木さんの横にピタッとつき、何でしょうと片膝をついて命令を待つ姿勢に。まるで将軍と小姓みたいだ。

 眞木さんは言います。

「ちょっとこの淺野クンをさ、キミの会社で何とかしてコピーライターになれるよう、ちゃんと面倒みてあげなよ」

「はっ、わかりました」

 話がどんどん先に進んでいく。一体どういうことなんだろう。宣伝会議の取締役員っぽい人が僕をにらみつけてくる。そしてこう切り出したのです。

「淺野クン、キミはしばらくうちで働きなさい。宣伝会議は全面的に淺野クンをサポートする」

「ええぇっ!?」

 深夜のバーで思わず大きい声をあげてしまいました。

「ど…どういうことですか?」

 僕は問いただしました。何のことだかサッパリだ。すると宣伝会議の人が言いました。

「宣伝会議は広告業界専門の出版社だ。広告業界のことなら何でも知っている。うちで働いていれば広告会社の人たちと普通の人よりも多く接触できる。やがて知り合いも増えていくだろう。そこで自分をじゃんじゃんアピールしていけば、コピーライターになれるチャンスがおのずと向こうからやってくる。だから、いまいる会社なんかでくすぶっていないで、うちで働こうよ」

「僕なんかで本当にいいんですか?」

「ああ。即決でOKだよ」

 こうして僕は、翌月から宣伝会議で働くことになったのでした。

宣伝会議でアルバイト&転職活動

宣伝会議でアルバイト&転職活動
コピーライティングの勉強方法は決まってはいないが、自分なりの努力は必要だ

昼は社員として、夜は受講生として。

 宣伝会議の社員として働くことになった僕の立ち位置は、とても特殊なものでした。朝9時に出勤して夕方6時までは営業アシスタントとして働き、それ以降の時間はコピーライター養成講座の上級コースの受講生として講義を受けることが許されました。受講するのは上級コースだけじゃありません。SPプランナー講座、編集ライター養成講座なども聞き放題。乾いたスポンジが水をグングン吸収していくかのように、僕の広告業界の知識は半端なく広がっていって、コピーライター養成講座の基礎コースに通っていただけでは得られなかったことも学ぶことができました。

 昼間の営業活動は、講座に登壇する広告クリエイターさんとの事前打ち合わせや会場の手配、スケジュール管理。あと、やはり宣伝会議は出版社なので、書店営業も行いました。宣伝会議の出版する雑誌に求人広告を載せませんか…と広告会社に営業することもあって、彼らがどんな人材を求めているのかを具体的に把握することができました。

未経験者でも、どんどん応募していい。

 求人広告を載せませんかと広告会社に営業をしているときに、僕はいつも疑問に感じていることがありました。それは、どの会社も必ずといっていいほど「経験3年以上」などと注意書きをつけて人材を募集している。これでは僕のような未経験者が入りこむ余地はないじゃないか。

 一度、宣伝会議の雑誌に掲載する求人広告の「青焼き」をもらいに、ある制作会社のところに行ったとき、そこの社長さんに聞いてみたことがありました。

「何でどこの会社さんも経験者しか採らないんですかね? 僕、コピーライターになりたいと思っているんですけど、未経験者だからその時点で応募するの、あきらめちゃうんですよ」

 するとその社長さんは言いました。

「いや、べつに未経験者でもいいんだよ。即戦力になってくれれば。遠慮せずどんどん応募していいんじゃない?」

 えっ、そうなの? ビックリしました。じゃあ即戦力かどうかはどうやって確かめるんですかとさらに聞いてみました。

「んー、ポートフォリオ次第かな」

 ぽーとふぉりお? 初めて聞く言葉でした。

「作品集だよ。これまでこういうモノを作ってきました…と実績をアピールできるもの」

 その作品集ってコピーライター養成講座で「金の鉛筆」をもらった課題でもOKなのかな? と思ってたずねてみました。

「うーん、ちゃんと自己アピールできていればOKだね。そんなの、自分からどんどんアピールしていかなきゃ損だよ。要は数うちゃ当たるだよ。この業界に入りたいなら、それくらいガッツがないとね」

 そうなんだ! 目からウロコでした。僕はそれまで履歴書と職務経歴書しか準備していませんでした。養成講座の課題を添付することなんて思いもつかなかったのです。

「ただ、そのポートフォリオに載せる課題だけど、単にコピー1本だけを見せられても、こちらは困るけどね。そこは創意工夫だね」

 たしかに。僕が社長さんの立場なら同じように思う。うーん、創意工夫か。ちょっと考えよう。今日はいいこと聞けたな…と、その制作会社をあとにしました。

未経験者の、熱い、厚いポートフォリオ。

厚いポートフォリオ
ポートフォリオで、自分の考えや技能を表現する

 コピーライター養成講座の課題のコピーをポートフォリオにするために、僕はいま一度、自分のこれまでの成績を見直してみました。その際、次のことをリストアップしました。

(1)出された課題

(2)提出したコピー       

(3)そのコピーが生まれた市場背景と企画意図

(4)講師の講評(具体的に)

(5)その講評を受けて自分で反省または改善したこと

 これらをPowerPointとWordを使ってA4用紙にキレイにまとめました。ボディコピーが必要だなと思うものがあったら新たにつけ加えて、平面媒体を想定した課題の場合はビジュアルをつけて実際の広告っぽく仕上げました。「金の鉛筆」をもらった課題1つにつき1ページ。そうしてつくっていたら30ページ以上にもなってしまい、ホチキスではとめられない厚さになったので、印刷業者に頼んで「冊子」にしてもらいました。

 履歴書と職務経歴書に、この「冊子」を添付してコピーライター募集の求人広告を出している広告会社にかたっぱしに応募していったところ、それまでカスリもしなかった書類審査がポツポツと通過するようになり、面接したいという会社が現われはじめたのです。

 面接まで進んだどの会社も「ここまでまとめている養成講座出身者はいない」と口をそろえて言われました。聞けば、たいていは(1)と(2)で終わっていて、それを「作品」と称して応募してくる人があとを絶たないのだとか。また、この「冊子」が他の養成講座出身者よりも優れているのは、(3)と(5)でちゃんと分析されている点だということも何社か受けてわかりました。

むしろ未経験者こそ、面接では堂々と。

 「冊子」のポートフォリオが効いたのでしょうか。面接までこぎつけることが多くなりました。ただ、そこから先がムズカシい。面接するとカチコチに緊張して、言いたいことの半分も伝えられずに終わってしまうことがほとんどでした。不採用になった会社の数は50社を超えていたと思います。

 何がどう悪いんだろう? 自問自答してみたところ、あることに気づきました。

 それは、未経験だからという理由で、妙に萎縮していたということ。

 いま振り返ってみれば、「コピーライターの経験者を募集しているところに、ワタクシごとき未経験者が応募して、まことに申しわけないですが…」と恐縮した気持ちで面接にのぞんでいたときほど、不採用の雰囲気がすでに漂っていたような気がします。

・未経験の「未」は、未知数の「未」だ。

・やってみなくちゃ、わからないでしょ。

・使える人材かどうかは試用期間中に見極めてください。

 それくらいの気がまえでのぞんでいくくらいが、ちょうどいいと思います。

 事実、そういうスタンスに切り替えたおかげで、僕はやっと面接を通過することができ、晴れてコピーライターとして広告会社に採用されました。もっと早くに気がついていれば、僕の就職活動は50社以上も落ちたりせずに、スムーズに進んでいただろうと思います。

面接のときに注意すべきポイント。

 あと、面接で気をつけなければならないことは、伝えるのは「コピーライターになりたい!」という『熱意』じゃなく、「コピーライターとしてこういうことができます!」という『能力』だということ。ここを勘ちがいしている人が意外に多い。

 たとえば、あなたはデートか何かでイタリア料理店に行ったとします。ピザのマルゲリータが大好物で早く食べたいと思っているとしましょう。さて、あなたなら次のどちらのシェフに注文しますか?

                 (A)わたしもマルゲリータ大好物です!

                 (B)マルゲリータはうちの自信作です!

 おそらくあなたは(B)のシェフに注文するのではないでしょうか。そのシェフ個人が大好きかどうかなんて注文する客にとっては知ったこっちゃない。

 それと同じことで、「コピーライターになりたい!」というあなたの気持ちなど、採用する側にとってはどうでもよく、「良質なコピーが書けます!」という人のほうがはるかに魅力的なのです。

 僕の場合、精密機器メーカーでISO9001を取得するために編集したマニュアルの話が面接で好印象を持たれました。のちに、採用してくれた広告会社のクリエイティブ・ディレクターにおしえてもらったのですが、僕の話を聞いて「こいつ編集能力あるな」「ちゃんと言葉のチョイスができる奴だな」と思ったのだそうです。

 ここを注意しておかないと、せっかくの自己アピールの機会もトンチンカンなものになってムダに終わってしまいます。くれぐれも用心してくださいね。

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