本原稿は、オンライン商談を成功させる方法を掲載しています。内容はオンライン商談のメリット、デメリット、商談の進め方のパターンです。オンライン商談がうまくいかない方、これからオンライン商談を取り入れる方におすすめの内容です。
オンライン商談とは
オンライン商談とは、インターネットを介したセールス活動のことです。オンラインセールス、またオンライン営業とも呼ばれ、B to B、B to Cに限らず、セールスプロセスにおける「リモート環境下での商談」として認識されています。
オンライン商談の3つのパターンと組み立て方
オンライン商談では事前にストーリーの組み立てを行います。この時に注意すべきは顧客の立場でストーリーを組み立てるということです。
初回に多い会社案内から話を始めるパターン1
最初に会社についての説明を行い、その後問い合わせに関するサービス紹介に移るパターンです。
- 会社概要の説明
- サービスの説明
- 質疑応答
- 導入、採用事例の説明
- 質疑応答
- 価格や付帯サービスの説明
- 次回のアポイントメントの獲得
- 資料などのダウンロードの説明
このパターンはもっともオーソドックスなパターンです。顧客が事前にあなたの会社のことを調べていれば、1の会社概要の説明は不要です。その場合、既知のサービス内容があるかもしれないので、単純にシナリオ通りに話すのではなく、途中でポイントを絞り込むなど、工夫が必要です。自社やサービスの情報について質問し、もし、顧客の求めているものが明快ならシナリオを変更するのもありです。
無料試用期間を活用するパターン2
DX関連ツールなどで多いのが、無料使用期間を設けて、その後に商談に移る、あるいは期間中に使用説明と商談をミックスする方法です。
- サービスの説明
- サービスのポイント
- 質疑応答
- 値引き交渉や付帯サービスの提案(クロージング担当に任せることもあり)
- 導入可能時期に関する回答
この方法を行うケースは、面談時における成約の可否がはっきりしていると考えられます。価格交渉に備えて値引きやサービス期間の延長なども考慮しておきましょう。また、サービスの試用をすることは、自社だけでなく競合製品を試している可能性もあります。競合製品の対策トークや対抗資料を作成しておきます。
シミュレーションを行うパターン3
あらかじめ顧客の希望をヒアリングしておき、サービス内容をシミュレーションして見せる方法です。
- サービスの概要説明
- シミュレーション概要の説明
- シミュレーション例の提示、または結果例の報告
- 質疑応答
- 値引き交渉や付帯サービスの提案(クロージング担当に任せることもあり)
- 導入可能時期に関する回答
これはパターン2とともに成約率が高いパターンです。ここでの注意点は自社製品やサービスの自画自賛に終始しないこと。見込み顧客は自社の課題を解決したいのであって、製品の説明を聞きたいわけではありません。それが見込み顧客の課題にどの程度対応できるかということです。
あまりに特徴に偏った詳細説明にすると、例え見込み顧客の課題解決につながる内容でも、理解の消化不良を起こします。
顧客が考えている使用方法を明快にするために、ヒアリングに努めます。そのヒントが見込み客から出てきた場合には、先行事例などで顧客の課題解決ができる筋道を示すのが成約への近道になります。
オンライン商談への誘い方とは
見込み客をオンライン商談に誘うには、電話、メールのほか、展示会やセミナーなどがあります。それぞれについて解説します。
電話を使う場合は、前方部隊と後方部隊で役割を変える
オンライン商談を誘う最初の電話は、同じ内容を何度も繰り返すことになるので、電話営業の専任者が好ましいといえます。インサイドセールスと呼ばれる担当者です。
オンライン商談がうまくいかなった時に、電話の担当者が別ならば、再度掛け直しても不自然ではありません。オンラインセールスの内容を第三者的な立場でヒアリングすることもできます。これは見込み客との接点増加施策にもなります
インサイドセールスとクロージング業務を分業します。予算面で採用を先延ばしにしている見込み顧客への、定期的な情報提供や顧客状況を確認するのにも役立ちます。
メールで誘う場合は開封確認機能を生かす
メールで誘う場合は、ワンクリックで返答ができるように申し込みや問い合わせへのリンクは必ずもう消す。また、多くのメールサーバーには、メール開封などの確認機能が備わっています。開封確認ができれば、相手の興味の度合いがわかります。
事前のヒアリングとアンケート
商談前には、メールなどで、自社サービスのうちで見込み顧客が試してみたいことをアンケートなどで知るように努めます。より具体的であるほど、ニーズに近いと考えられるので、商談のストーリーが組み立てやすくなります。
ウエビナー後の誘い
見込み顧客とオンライン商談の場を設ける手段としてもっとも有効であるのがウェビナー直後の誘いです。ウェビナー参加が関心度の高さを示しているので、商談機会を提示する仕組みは必須といえます。
オンライン商談の成功は接点増加がカギ
この章では、インサイドセールスの接点増加をテーマに少人数での対応について説明します。
セールスを仕組み化する
弊社はマーケティング担当、セールス担当が一人もいない会社です。しかし、全従業員に対して週あたり5時間のマーケティングタイムを取るように設定しています。弊社はコンテンツマーケティングを中心としたサービスを提供しているので、スタッフはマーケッターでもセールスマンでもありません。
しかし、マーケティングに関する稼働時間を取り入れることで社外のネットワークが確実に広がりました。これも仕組み化のひとつです。どこかを少し変えるだけで、全体の最適化が進むことがあるのです。
インサイドセールスの方法
インサイドセールスは顧客をフォローする仕組みの一つです。これをオンラインセールスの前段部分として位置づけます。戦術的には前述したSNSやオウンドメディアを使用します。人数が少ないので、問い合わせに対応できるように各サービスに応じたホワイトペーパーを準備します。
各メディアを通じて入手した問い合わせについては、初期ではホワイトペーパーを用います。本来人がすべきところをツールに任せるのです。ツールは一度作成すれば使い回しが可能で、アップデートすれば、また付加価値をつけて再生します。
ビジネスブログも作成するのは多少の手間はかかりますが、それによって定期的な流入が見込めます。少人数で対応する場合、まず考えるべきことはどこを自動化するのか。ということが大きなポイントになるのです。
オンライン商談の特長とは
オンライン商談の特長について説明します。オンライン商談のメリットは大きく4つあります。
顧客の場所にこだわらず商談ができる
オンライン商談は、顧客の所在地を選びません。これはオンライン商談の最大のメリット。対面での営業活動は活動範囲が限られていますが、オンライン商談は、日本国内だけでなく、世界中の顧客とつながることができます。
移動時間がなく業務の効率化が進む
時間を効率的に使用できることがオンライン商談の大きなメリットです。商談場所への移動時間が必要ありません。対面の商談の場面では、相手から待たされることがありますが、これも回避できます。ムダ足になることがないのです。
交通費や資料作成の経費が削減できる
コスト面では、交通費などの経費がかかりません。対面商談の場面では、資料を手渡したり、会社案内を渡すこともあります。
オンライン商談ではそれらを、全てデータに集約することができます。印刷代やコピー代の削減、それらの作成にかかる手間などもなくなるので業務の効率化が進みます。
対面時間をあらかじめ設定することができる
オンライン商談では、30分〜1時間程度の面談時間が獲得できます。事前に面談時間がわかるので事前に商談のストーリーを組み立てることができます。
面談を録画して検証することができる
オンライン商談は録画することが可能です。顧客の許諾を得ることで営業シーンをデータとしてアーカイブできます。営業方法を検証するだけでなく、会社の資産として残せます。
- 効果的だった営業トークの内容をピックアップできる
- 顧客が注目したポイントをまとめられる
- 面談データを研修などに活用できる
オンライン商談のメリット
オンラインセールスの商談をまとめると次の5点になります。経費、効率化、データ化など、対面商談にないメリットがあります。
- 顧客や自社の場所を限定せずグローバルな活動が可能
- 移動時間を省くことができ業務の効率化を図ることができる
- 交通費や資料作成、会社案内などのツールのコストを削減できる
- 対面時間をあらかじめ設定することができる
- 面談のデータをアーカイブして会社の資産として活用できる
オンライン商談のデメリットについて
オンライン商談にもデメリットはあります。項目として以下にピックアップッしています。なかには工夫次第で解消できる項目も含まれています。
- 商談前のアイスブレイクの時間がとりにくい
- 身振り手振りなどによる熱意を伝えにくい
- 資料を広げて俯瞰的に説明しづらい
- 個人的な話がしにくい。オフレコの話がしにくい。
- 訪問しないため相手の会社の様子がわからない。
- 顧客の上長の顔がわからない(挨拶だけさせてくださいが言いにくい)
- 複数の参加者がいる場合は、発言のタイミングがとりにくい
- 名刺交換ができない
最後に
本記事が皆様のオンランセールスの参考になればと考えています。皆様のビジネスが成功することを祈念いたします。