強いチームを作るリーダーとは|球界の名将に学ぶ

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ポテンシャルが発揮できない組織のリーダーがするべきこととは

ポテンシャルを発揮できない組織のリーダー
適材適所の人材配置と、理論に裏打ちされた具体的な指示が必要

考える野球を広めた野村克也氏

「王や長嶋はヒマワリ、私は月見草」と言った野村克也氏ですが、選手そして監督としての功績や、ONに劣りません。監督としてのハイライトは、ヤクルト・スワローズ時代でしょう。1979年からBクラスが定位置だったチームを就任3年目の1992年にリーグ優勝、翌年には日本一に導きました。

ポジションの配置転換などでベテラン選手を復活させる手法は「野村再生工場」と謳われ、緻密な計算に基づく采配は、「ID(Important Data)野球」として、経験則で語られることの多かった野球界に多大な変化をもたらしました。

適材適所とロジカルなマネジメントでブレイクスルー

この当時のヤクルトは、結果は出ていないがポテンシャルは高い組織といえます。野村氏の監督就任まで11年連続でBクラスに低迷していましたが、池山選手と広沢選手がベストナインに選出されるなど、戦力に不足はありませんでした。

そこで野村氏は、選手のポテンシャルを引き出すために大胆なポジションのコンバートを行います。また、経験の浅い若手選手が多かったことから、毎日数時間に及ぶミーティングも実施。

自分の考えや選手個々の役割などを徹底的に叩き込むことで、選手たちも納得して練習や試合に臨めるようになりました。適材適所の人材配置と、理論に裏打ちされた具体的な指示。それがポテンシャルを開花させ、低迷する組織にブレイクスルーを引き起こしたのです。

育成が求められる組織のリーダーがすべきこととは

育成が求められる組織のリーダー
メンバー個々の将来性を考えて指導する

甲子園の常勝チームをつくった中村順司氏

4人目に取り上げるのは、高校野球の名伯楽、中村順司氏です。PL学園高校野球部で1976年から1998年まで指揮を取り、春夏甲子園大会で計6度の優勝、通算58勝をマークしました。桑田、清原を筆頭に、一流選手の育成に定評のある監督ですが、指導方針の根底にあるのは、「野球を長く楽しんでもらいたい」という思い。また、上級生と下級生で師弟関係を結ばせるなど、世代間の技術伝達も促進しました。

リーダーに求められるのはメンバーの将来性を考えた指導

高校野球部は、まさに若手中心の組織といえるでしょう。この組織のリーダーに求められるのは、「育成」と「結果」の2つ。とはいえ、目の前の結果を追い求めて選手をビシバシ育てる方法はおすすめできません。まだ経験の浅い選手は1度の失敗でも落ち込みやすく、途中でリタイアしてしまう可能性が高いからです。

会社における人材育成とは、将来を通して長く自社に貢献できる人材を育てること。つまり、メンバー個々の将来性を考えて指導するリーダーシップが重要なのです。中村氏の「野球を長く楽しんでもらいたい」という指導方針がなければ、常勝PLも生まれなかったに違いありません。

モチベーションが低い組織を立て直すリーダーの役割とは

モチベーションが低い組織を立て直すリーダー
まずは態度で心を揺さぶらせることが、モチベーションアップに

暗黒チームを戦える組織につくり変えた中畑清氏

最後を飾るのは中畑清氏です。2012年から2015年まで横浜DeNAベイスターズで指揮を取りました。4年間で最高順位は6チーム中5位と目立った成績は残せていません。しかし、監督就任までの10年間で最下位が8回。選手、首脳陣、フロントの確執や癒着も慢性化し、まさに暗黒時代まっただ中だったチームを戦える組織につくり変えてくれたと、現在もファンの間で評価されています。

自らも泥にまみれ、メンバーの心を揺らぶらせる

モチベーションが低い組織を率いるほど難しいことはありません。中畑氏が監督に就任する前の横浜は、外部の選手や解説者から向上心の低さが指摘されるほど泥沼状態にあるチームでした。その組織を立て直すにはどうすべきなのか。

中畑氏が取った行動は、選手と一緒に泥にまみれることでした。練習中も自らノックを打ち、選手と共にユニフォームを汚す。戦う姿勢を自分から見せることで、チームにファイティングスピリッツを植え付けたのです。

やる気がない部下に対し、言葉で何かを伝えようとしても、なかなか聞いてもらえないもの。まずは態度で心を揺さぶらせることが、モチベーションが低い組織のリーダーの役割でしょう。

おわりに

今回は野球を題材にしましたが、成果を挙げている人には必ず何らかの理由があります。悩みを抱えた際は、違うジャンルで活躍する人をじっくり観察してみましょう。大きなヒントを得られるかもしれません。

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