
はじめに
保育士資格を活かすには、保育園で正社員として働くのが常識とされてきました。ただ、働き方が多様化した現代、保育士の雇用形態も大きく変化しているのをご存知でしょうか。
ここでは、眠っている保育士資格を副業に活かす方法を紹介しています。さまざまな理由から保育士として働くのを躊躇している方は、ぜひこの記事を読んで、自分にあった働き方を見つけてください。
保育園やこども園で副業するメリット
待機児童の数が物語るように、保育園は慢性的な人材不足に悩まされています。その一方で、保育士登録者数のうち、保育現場で働く保育士は4割程度。保育士資格を持ちながら他の仕事に従事する、潜在保育士が多いのが現状です。
そんな保育園の悩みを解決するのが、パートやアルバイトで働く保育士の存在。待機児童の解消にもつながるため、多くの保育園が短時間勤務の保育士を探しています。つまり、就職先の選択肢がたくさんあるのです。
保育園やこども園で副業を考えるなら、保育士専門の求人サイトが便利です。少なくとも2社以上のサイトに登録して、より好条件の仕事を探しましょう。

人手の足りない時間帯が狙い目
保育園で一番人手が足りないのは、「平日の早朝・夕方以降」と「土曜保育」。裏を返せば、その時間帯にピンポイントで人手がほしいということです。実際に求人サイトを見てみても、その時間帯の求人が多く掲載されています。敬遠されがちな時間帯ですから、好条件の求人が簡単に見つかります。収入面もアルバイト保育士の平均時給1000円と比べて、高い傾向にあります。
また、直接雇用や派遣利用など、好きな雇用形態を選べるのも魅力。週に1回だけ、朝の2時間だけといった働き方を選べば、日常生活に大きな支障をきたすこともありません。
勤務期間を選べる
人手不足が深刻な昨今は、短期と長期など、勤務期間がフレキシブルな保育園も少なくありません。保育園でアルバイトしてみたいけれど、自分に合うかどうか心配という方は、短期間の勤務を試してみてはいかがでしょうか。本人と保育園の希望が合えば、勤務期間を延長することも可能です。
未経験でも採用される可能性が高い
保育士資格は持っているけど、保育現場で働いたことがない方も安心。パート・アルバイト保育士の求人は「未経験可」という条件も珍しくありません。早朝や延長保育など人手を集めるのが難しい時間帯は「資格不問」の場合もあるほどです。未経験でも保育士資格を持っていれば、採用にたいへん有利で、資格手当が出ることも期待できます。
保育士資格を活かせる副業は保育園以外にも
保育士資格を活かせる場所は保育園だけではありません。最近は待機児童解消のための新しい施策が多く、保育士の活躍の場が広がっています。

ベビーシッター
ベビーシッターは、0歳から12歳までの子どもを対象に、依頼者の自宅で保護者の代わりに保育を行います。その内容は、子どもの世話や遊び相手、食事の準備など、生活全般のサポート。自分のライフスタイルに合わせて、勤務日や時間帯を選べます。
ベビーシッターになりたいなら、ベビーシッター派遣の企業に登録するのが近道です。資格の有無が問われないベビーシッターも、保育士資格があればなお良し。依頼者からの信頼を得やすいため、採用されやすい傾向にあります。
居宅訪問型保育
居宅訪問型保育とは、利用者の家庭を訪問してマンツーマンで保育を行う、新しい保育の形です。疾患や障害を持つ子どもを対象にすることが多いため、保育士と同等以上の知識や技術を有することが原則です。保育士資格を活かせるだけでなく、さらに高度な経験や知識を得られるのが特長で、スキルアップに最適です。
この仕事を希望する場合も、保育専門の求人サイトに登録しておくとスムーズです。
企業内保育施設
企業内保育施設とは、企業で働く従業員が就業中に子ども預ける場所。企業内や近隣に設けた託児施設を指します。
共働き世帯が主流となった昨今、企業内保育施設を導入する企業は年々増加しています。また、働き手確保のために、国や企業の支援が活発化していることから、今後も増えると予想されます。
企業内保育施設は、営業日に合わせて運営されるため、基本的には土日が休み。夏季や冬季の長期休暇も、企業に準じています。
少人数制で小規模な施設が多く、アットホームな雰囲気で保育を行えるのが、企業内保育施設の特徴です。一般的な保育園のような大きな行事が少なく、残業はほとんどなし。持ち帰り仕事も比較的少ないので、公私をきちんと分けたい人に向いているといえます。
病院内保育施設
病院で働く人の子どもを預かる院内保育所。保護者が病院勤務ということで、24時間体制で保育を行っている施設がほとんどです。夜勤の時間帯もあるので、夜間の副業を考えている方におすすめといえるでしょう。夜勤や早朝は別途手当が支給される場合もあり、高収入が期待できます。福利厚生制度が充実しているところが多く、待遇面で恵まれているのも魅力です。企業内保育施設と同様、大きな行事は少なく、勤務内容はとてもシンプルです。
学童保育施設
放課後の児童を預かる学童保育施設は、主に午後からの仕事です。午前中にしっかりと家事を済ませたい方に適しています。無資格でも働けますが、保育士資格があれば、無資格者の平均時給より50円から200円ほど高くなっています。ほとんどの学童保育がシフト制で、勤務日の選択が可能。自分のライフスタイルに合わせて働けるのがメリットです。【はじめての学童指導員】学童保育への就職・転職支援サービスに登録、相談してみてはいかがでしょうか。
キッズスペース
最近は、診療所やヘアサロン、住宅展示場などで、お客さんの子どもを預かるキッズスペースを設けている施設も珍しくありません。診療所での勤務は、午前診と午後診の合間はフリーになるのがほとんど。自宅の近くなら、一旦帰宅して家事を済ませることも可能です。お盆休みや年末年始が長めに設定されているのも、嬉しいところ。時間を有効に使いたい方におすすめといえるでしょう。